職場(ハウスメーカー営業)の新入社員(A君)が半年前に退職しました(入社一年程で)。 やめた大きな理由は ○人間関係(お客さん、職場、業者etc……) ○契約があがらなかった事(まともな見込

まず、厳しくするのが本人のため、というのは言い訳です。基本は、やってみせ言って聞かせてさせてみて、褒めてやらねば人は動かじ、です。 慣れない職場で、全ての能力を本来業務に振り分けられるようになるまでには、ある程度の時間が必要です。会社に慣れる、昼食の取り方や場所、備品類の入手、その会社で許されていること、許されていないことが切り分けられているラインの位置、様々な定型業務、非定型業務の手順や段取り、人の名前や会社固有の言い回しや単語を覚える、どんな疑問は誰にどう聞けば良いかわかる、会社の中の人間関係や評価、背景を理解する、といった本来業務以外の様々な雑多な知識を身に付けるまではなかなか稼働できないのが現実です。 ですので、本格稼働までの時間を短縮するために、これらの留意事項、知識は明文化しておき、一部はあなたの手元メモとし、一部は段階を追って本人に渡せる複数の手引きとして用意しておく必要があります。もちろん本人にメモを取らせ、取らせた内容を確認し、必要なところでリマインドさせることも重要です。 本人が自覚を持ってやるべき、とあなたが思っている範囲の中で、本当に自覚を持ってやらなければならないことと、周りで吸収、代行できることを切り分け、相手のレベルに合わせて本人にやらせること、周りで肩代わりすることの配分を変える必要があります。あなた自身、本人のためという言葉の裏に、自分が手抜きをする言い訳になっている部分が隠れていることに自覚もあると思います。 あなたの評価はそのやめていく人の言葉がそのまま反映したと考えない方が良いでしょう。あなたがその人に手厚く接しており、周りもそれをたびたび目にしていたら、辞める人が何と言ったところで自分が目にしたあなたの手厚い対応の印象を重視するはずです。今回は辞めた人の言葉が覆らない印象があなたにあったと見るべきです。そのことを理解し、本人のためと手抜きしていた部分を、今度は手厚いフォローで置き換えて下さい。またそのフォローしているのをさりげなくアピールすることが、あなたを守ることになるのを理解して、フォローがその人のためだけでなく自分の評価を上げることになるような配慮も、併せて行って下さい。 本格稼働が始まったら、アポイント取得の方法別件数と母数の時系列推移や、アポイントから成約までのプロセスでどの段階がボトルネックになっているかの定量分析と問題点の洗い出し、改善の取り組みと進捗の管理帳票、それらの中で必要な指導についての履歴と内容の管理帳票などを体系的に作成、利用して、指導に使うだけでなく、あなたのマネジメント実績や能力のアピールのための資料として利用していって下さい。