なぜ、東京消防庁の救助車は初代からいすゞなのですか？

えっと… 呼ばれました？(笑) 消防車を作る会社は２種類あります。 まず，シャシ（日本語では「シャーシ」とよく言いますが，正しくは「シャシー」で，工業科的には「シャシ」です）を作るメーカーですね。 殆どの消防車のシャシはトラックですから，見た目の消防車（主にキャビン部分）のメーカーはいすゞとか日野などになります。 次に消防車としての機能の部分を作ってシャシに載せるのが「艤装（ぎそう）メーカー」です。 モリタやマギルス，日機，近鉄，吉谷，帝繊などなどです。 消防車というのは，ご存知の通り「入札」で納入業者が決まります。 入札で受注するのは艤装メーカーです。ここが納入した消防車について最終的な責任を持ちます。 しかし，艤装メーカーはシャシを作りませんから，シャシメーカーに納入させるのですが，ここは民間企業同士の取引なので，公的な入札とは話が違います。 要は「安く，大量に納入してくれる会社」がいいんですよ。 安くというのは，当然ですよね。シャシが安ければ，艤装メーカーの儲けが増えます。 大量に納入してくれるというのは，同じシャシを使うと，車体設計が楽になります。 救助Ⅱ型のようなお決まりの形で，CD－Ⅱと同じシャシで製作出来るなら作業が簡単な方がいいに決まっています。 ですから，ある程度，同じシャシの車が入ってきたりするんですよ。 あと，入札の仕様書に「いすゞ以外のシャシでは作れない」という項目が入ることがあります。 この場合，シャシメーカーからすれば「いすゞしかできないじゃないか！」となりますが，入札するのは艤装メーカーですから，いすゞからシャシを購入すればいいだけの話ですからね。