ワタミがブラック大賞に選ばれていますが、中小や零細ではもっとブラックなところがあるのでは？と思うのですが・・

ワタミがブラック企業として広く認知される理由として、毎年の大量新卒採用と、新卒求職者の弱みや若さにつけ込んだ採用手法が挙げられます。 具体的に説明しますと、まず求職者を渡邉美樹のセミナーに招待します。そこで説明されるのは自社のメインである外食産業の実態ではなく、介護・環境・その他社会貢献など、今の世の中で（一応）必要とされている――言うなれば非常に耳障りのよい言葉を含んだ事業の、ごく表面的な美しい部分のみです。グループのスローガン「地球上で一番たくさんのありがとうを集める」みたいなのについても、渡邉美樹自らの口から訴えかけるように語られます。この段階で、無い内定で悶え苦しみ「現実」に打ちのめされつつある一部の新卒求職者は、暗中模索していた中に一条の光が見えたような錯覚に陥ります。特に、インターン等をせずに深い企業研究や社会勉強をしてこなかった学生は、実態まで突き詰めようとせず、表面的な美しい言葉を全て事実であると思い込み、「これこそ理想の企業だ！」「こんな冴えない僕（私）でもここでなら生まれ変われる！」「さあ、新しい人生の始まりだ！」といった高揚した気分で胸がいっぱいになります。こうなれば、あとはもう選考（実際のところはワタミに共感さえしていればあうあうあーでも内定でます）に進んでとんとん拍子に内定。そして、何も知らないまま4月1日を迎えるのです。 給料・休日・勤務時間・DQN加減などについては、確かにワタミよりも劣悪な企業は多いでしょう（零細なら特に）。しかし、一種の洗脳に近い状態にまで新卒求職者を追い込み、さんざん気分を高揚させた上で4月に一気に突き落とすという「ギャップ」は、恐らくワタミならではのブラック要素と言えましょう。もっとも、洗脳に至るのはあくまで求職者の意志の弱さや企業研究・社会勉強の不足によるところも多いので、自業自得と言われれば返す言葉もないのでしょうが……。