伊藤忠ではありませんが5大商社入社予定の者です。 就活で結構それについては研究しました。 結論から言えば、中国の急成長と、生活関連分野への注力。 この2点が最大の要因と思われます。 伊藤忠商事はずっと前から中国に目を付け、中国市場を相手取ったビジネスを着々と拡張していました。そして遂に中国の経済力のピークが今来ています。 GDPでは確かにアメリカに負けていますし、日本、ドイツなども中国に次ぐレベルの規模を持っていますが、個人の消費力の総計で今の中国に敵う国はありません。 次に、早くから天然資源ビジネスの市況に対する弱さを問題視し、長期的に生活関連分野へのシフトを目指したことも奏功しています。 もっと細かく言うなら、リテイリングを主としたコンビニなどの業界に食い込んだことです。これは市況にそれほど需要が左右されません。 新型肺炎の流行でさらにその傾向が早まりました。 三井物産、三菱商事はそれぞれ収益の7-8割近くを原油、天然ガス、鉄鋼関連事業に依存しています。産業が停滞する現状では、勝って当然でしょう。 ただ、これで今後も5大商社1位の座を守れるとは考えにくいです。 先ほども言ったように中国の経済力は今がピークです。 今後、人口減少も相まってゆるやかにGDPは減退していくはずです。 また、日中、米中対立などを踏まえれば、少なくとも5年以内には深刻な政治的衝突が起きる可能性が低くありません。商売どころではない。 現に、伊藤忠に少し遅れをとって穀物の対中輸出を目的として穀物商社を買収した丸紅は、米中の輸出入制限のせいで大損をしました。 同じ地雷を伊藤忠が踏まない保証はありませんし、もし踏んだ場合には中国への依存度の高さも相まって大ピンチになるはずです。 また、生活関連分野ばかりをやっていればいいという物でもありません。 確かに省力、省エネは世界的趨勢ですが、資源が全く要らなくなることはないでしょうし、産業が活性化している時期には資源ビジネスは大変儲かります。 長期的な利益を目指した結果短期的利益を捨てようといえるほど、好況時の資源ビジネスの利益は小さいものではありません。 もし好況になればまた三菱三井が息を吹き返すでしょう。 その際に、やれば儲かる資源ビジネスのアセットを持っていない商社ほど収益が伸び悩みます。5大の中では伊藤忠、住友商事にその傾向が強いです。 個人的に今後は、資源ビジネスも大規模に保有しつつ生活関連分野への注力を進めている三菱商事、そして電力、医療、ゴミの再利用などの時代に好まれそうな事業に強みを持つ丸紅が急成長するのではと思っております。
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