鋼材かぶりとはなんですか？

鉄筋コンクリートにおける、コンクリート表面から、鉄筋表面までの距離を「鋼材かぶり」と言います。 先の方がおっしゃる通り、かぶりが薄いと、外部からの色々な影響を受けやすくなります。 中性化・・・コンクリートは表面から、二酸化炭素の影響を受けて、アルカリ性から中性に変わって行きます。コンクリートのアルカリ性が弱くなると、鉄筋はさび始めることがあるので、鉄筋は深い所にある方が、中性化に対して有利です。 塩害・・・海岸近くや凍結防止剤をまく場所など、塩化物イオンがコンクリートに付着しやすい環境では、時間がたつにつれ、塩化物イオンがコンクリート内部に浸透して行きます。鉄筋位置あたりの塩化物濃度が高くなると、鉄筋は錆び始めるので、鉄筋が深い所にある方が（かぶりが厚い方が）、塩害に対して有利です。 塩害を受けやすい鉄筋コンクリート構造物は、通常の構造物よりも、かぶりを多く取ることになっています。 構造・・・かぶりが大きいと、鉄筋が構造物の中側の方に入ってしまうので、中立軸からの距離が短くなり、耐荷力が低下します。 以上のことを考えて、構造面と耐久性の両面から、ちょうど良いかぶりが決められています。