智頭急行の路線は、もともと国鉄線(現在のJR線)となるべく1966年に建設が始まりました。 しかし、その後、モータリゼーションの発展や我田引鉄による相次ぐ不採算路線の開業・運賃値上げによる旅客数の減少などの理由で国鉄の赤字が増大し経営が悪化したことにより、1980年、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法という法律が施行されることになります。この法律は、営業中の不採算路線は廃止対象とし、開業しても採算の見込めない建設途中の路線は建設を中止するというもので、この時、智頭線は開業しても採算が見込めないという判断により建設が中止されます。 しかし、この法律で建設中止となった路線については、地方自治体が第3セクター路線として開業させることは可能だったので、鳥取県が中心となり、智頭線の将来性を再検討した結果、採算は見込めるとの判断で建設を再開。1994年、第3セクター智頭急行として誕生することになりました。 現在、旧国鉄線転換型の第3セクター路線で、智頭急行より経営状況の良い路線はないと思います。2015年度の経常利益でみると、第1位は智頭急行で4億3,600万円、第2位は愛知環状鉄道で8,100万円、第3位は鹿島臨海鉄道で2,500万円、第4位は平成筑豊鉄道で1,600万円、第5位は信楽高原鉄道で1,000万円となっています。なお、旧国鉄転換型第3セクター路線全31社のうち経常黒字はこの5社のみで残る26社は経常赤字です。赤字幅の最も大きいのは北越急行の4億3,400万円、続いて土佐くろしお鉄道の3億2,100万円となっています。なお、北越急行は北陸新幹線開業前に86億円以上の利益余剰金を残していたので今のところ、財布の中は豊かだと思います。
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