電通という広告代理店とは何が必要なのでしょうか？ 映画やCMなどの仕事、今回のオリンピックの騒動などに関しましても、本当に必要なのかわかりません。一体、どういった仕事をしているのでしょうか？

大規模イベントの運営に関しては、国内随一のノウハウを持っており、電通なしには、物事は動きません。 イベントでは、関係するヒトやモノや情報は膨大かつ複雑です。 しかも、定型的な仕事ではなく、一回限りの、何がおきるかわからない、出来事です。 それをすべて統括し、必要な広告を必要な企業から集めてきて世界規模のキャンペーンを行い、膨大なカネをつくり、必要な人を必要な場所に必要な時間にきちんと配置し、必要なものを必要な場所に必要な量配布し、必要な情報を必要な場所に必要な時間に伝え、コントロールし、不測の事態に備え、何かあったときに瞬時に対応するのは、極めて高度な運営能力が必要です。 場面場面に応じた、必要な能力を持った人間や会社がどこにあるのかを熟知し、どのようにコンタクトして、集めてきて、組織化するのか、電通が中心に行います。 結果だけを見れば、たんに右から左に仕事を流し、適当に中抜しているように見えますが、実際には、オリンピックのような、めったにない超巨大イベントを滞りなく運営するには、とてつもないノウハウが必要なのですよ。 電通は1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博からそうしたイベントの運営に携わっており、日本のイベント業界にとって、必要不可欠な存在です。 同時に、そうした特殊な仕事ゆえに、それを担える会社や人間はきわめてすくなく、結果として、しばしば、なあなあの談合や癒着や汚職の温床ともなります。