国土交通省の観光庁ってどういうことをしているんですか？ 民間の旅行会社などと違う点は何ですか？

観光に関することです。統計整備や政策立案・実施など民間に出来ないことをします。 例えば、宿泊者の人数を全国の各施設に毎年尋ねるとして、民間では営利目的にデータが悪用されるかも知れないので、アンケート回収率は下がりますよね。ですから、そうした精度の高い広範囲の統計整備は国しか実質的には出来ないのです。 また、海外観光客を呼び込んで儲けるため、民間旅行会社でパックツアーをやるとしましょう。この場合も民間はいろいろなツアーオプションをつけるために、同業企業や自治体との提携や連携を行います。しかし、民間企業が全て手を組んでしまうと独占禁止法に引っ掛かりますし、大概は大手でも仲良しグループ集団同士がしのぎを削っています。このため、例えば民間は中国ばかり営業するかも知れませんが、今後の日本国としては北朝鮮からも旅行に来て欲しいと仮にします。そうした時に国どうしの観光友好協定を結んだりして、各旅行会社が営業できる環境を整えてあげるのは、これまた国しかできません。 民間企業は短期的利益に走りがちで、他国に働きかけるほどの力がありません。ですから、一例ではありましたが、中長期的な視野で観光の基盤を整備したり、民間企業が活用できる統計を作ったりするのが、観光庁の仕事のひとつです。