入社前の研修について質問です。

元採用担当のおぢさんです。書かれていることだけで正確なことはわかりませんから、一般論としての回答です。 じつは、入社していない（＝雇用契約のない）人への研修は、いろいろグレーゾーンなんですね。まず、内定後入社前研修が強制だと業務命令ということになり、本人へ給料を支払わなくてはなりません。で、これがかなり面倒くさい処理なのです。ですので、世の中のほとんどの入社前研修は任意参加（無給）ということになります。交通費だけであれば、内定式などのイベントと同じ扱いで支払えます。 >参考書はコピーされたものを使い回しでした。 >求人の備考に受験料、研修費、参考書代を全額補助と書いてありました。 これまたグレーゾーンですね。そして、いずれの費用についても、会社側の指定したものであるという条件が付いているはずです。でないと、いろんな参考書を数十万円分購入してブックオフに売る輩が出るかもしれないからです。また、補助と言っても、どの時点で何の名目で支払うかが難しいのです。おそらくは、入社後に何らかの手当か賞与に付加して支払われるのかなと思います。 ただ、参考書コピーについてですが、その会社がオリジナル作成したものでなければ確実に違法ですね。書籍のコピーは私的使用目的（個人的又は家庭内その他これに準じる限られた範囲）に限られています。あるいは、学校等の教育機関が一部分をコピー配布するのは合法ですが、営利企業がやるのは一部分でも著作権の侵害です。出版社・著者に許諾を得ていれば大丈夫かもしれませんが、新品を買って渡すよりも費用がかかりますから、その会社さんがやっているとは思えませんよね。 また、経費（お金）の話になりますが、その資格免許が職務遂行に絶対必要なものかどうかで、どこまでを企業が負担するべきかと、どの時点で支払うかの判断が分かれます。少しでも違うことをやり始めるときには、税理士の先生に必ず相談するレベルです。 例えば、経理事務での簿記であれば絶対必要とは言えませんよね。知識さえあれば、業務遂行に何ら支障はありませんから。こういう資格であれば、入社後に社員スキルアップのために取得を奨励したり、資格手当を付けたり、資格取得費用を○割会社負担する制度等で応援していたりします。事前に費用負担までして取得させるのは、税務署に突っ込まれる可能性があるからです。 運輸業での運転免許などは無ければ仕事そのものができませんから、入社を前提として取得をさせることが社会通念上相当であるということになります。ただし、本人が仮免取得後に「路上練習のガソリン代や高速代を負担して」とか「路上練習するためにレクサスを買ってくれ」と言いだしたら会社は拒否すると思います。個人判断でのオプションが個人負担なのは当然かなと思います。 また、会社の経費で運転免許取得後に内定を辞退しても、免許そのものは本人に帰属します。だから、「支払いはするけれど、あくまでも社員になって○ヶ月働いてからね」という会社側の言い分や制度も十分理解できます。でないと、無料で運転免許を取得するためだけに応募してくる人が出てくるからですね。