転職した会社が、試用期間が１年間で、契約社員での契約でした。 【加えて、６ヶ月の時に更新契約が有ります。】 それで、認められれば正社員という事でした。

＞転職した会社が、試用期間が１年間で、契約社員での契約でした。 ＞【加えて、６ヶ月の時に更新契約が有ります。】 ＞それで、認められれば正社員という事でした。 ＞このような契約形態は、どの様な物なのでしょうか？ ＞東証一部上場メーカーのグループ会社です。 ＞補足＞ちなみに求人としては正社員募集です。 ******************* 回答 質問者さんの会社の構想を表現すると、下記①②だと考えます。 ①試用期間満了後に自動的に正社員に成る【期間の定めのない契約】の場合で、試用期間中または試用期間満了時点で【辞めさせる】場合は、【辞めさせる理由のハードルが高い】ので、 ②まずは有期契約をして、その上で試用期間を設けて勤務してもらい、その期間中に適性や能力態度を判断し、問題なければ正社員として採用するという方法を取っている中堅中小企業は少なくありません。 ******************* 備考 ①について ①のケースの試用期間(＝正社員の試用期間)は、法律に明文化されてはいませんが、判例によると「解約権留保付き労働契約」であると定義されています。 （三菱樹脂事件、最大判、昭48・12・12）。 雇用解約や解雇をした場合、客観的かつ合理的な理由が無くて、社会通念上妥当で無い場合には、解雇権の濫用として、解雇そのものが無効になります。（労働契約法16条）。 近年は、解雇の要件が厳しくなっており、試用期間中の解雇や本採用拒否をすることは、ハードルが高いといえます。 例えば、試用期間中の解雇が無効と判断された判例として、ニュース証券事件（東京高判平21・9・15）があります。 この判例では、中途入社で6か月の試用期間を定めた正社員を、「営業担当としての資質に欠ける」という理由で入社から3か月強の時点で解雇しようとしたところ、その解雇は無効とされました。 ②について 試用期間を「期間の定めのある契約（有期契約）」とするケースです。 「試用期間＝契約期間」であるため、【適性や能力に問題があると判断した場合には契約満了時に契約終了＝解約＝実質は解雇】としたり、【問題なければ正社員として本採用する】というやり方です。 ただし、形式は有期契約であっても、中身が【期間の定めの無い契約】での【試用期間】と判断された場合は、通常の正社員の試用期間と同様の取扱いになるという判例があります。 （神戸弘陵学園事件最三小判平2・6・5）。 この判例では、形式として有期契約を締結していたとしても、それが【労働者の適性を評価・判断するのが主たる目的】であれば、通常の正社員の試用期間として取り扱われるとしています。 なお有期契約は、契約の終了時期があらかじめ決まっているため、契約期間の途中で解除するためには「やむを得ない事由」がなければならないとされています。（民法628条）（労働契約法17条1項）。 ******************* 当初、私が、少し気になった点 ①通常の試用期間は3ヶ月～長くて6ヶ月なのに、【試用期間が１年間】すなわち【長期】なのが少し気懸りでした。 ②【正社員募集の場合は、その身分での試用期間にするのが順当なのに】上述のごとく【会社の安全策として、契約社員での試用期間】という点も少し気懸りでした。 要するに【神経質すぎる会社だなあ】でした。 ******************* とは言うものの、 冒頭回答の②と解釈すれば、異常で怪しいとまで言えませんし、東証一部上場メーカーのグループ会社なら、得体のしれない悪徳ブラック企業というわけでも無いでしょうから、 しばらくは【様子をみながら】【誠実に勤務】なさるということで宜しいかと思います。 ＞認められれば正社員という事でした。 頑張って下さい。 ******************* (以上です)