トヨタ自動車の就職についての質問です。 大卒の技術職としての開発と、高卒専門卒の技能職(生産関係職)としての開発は主に何が違うのでしょうか？

自動車の仕事をしています。 「トヨタ自動車株式会社」の「技能職」と「技術職」に絞って回答します。 外部委託先や子会社は含めないので悪しからず。 まず、技能職とは分かりやすく言えば現場で直接作業の仕事をする人です。 製造ラインで組み立てを行う人、工場内の物流部門でフォークリフトを操作する人、金型製作や試作部門で工作機械を扱う人などが該当します。 基本的に開発業務は持っていません。 日々の量産や、量産準備中に納品されたものを加工したり据え付けたりがメインの仕事です。 それ以外では業務負荷の谷間に改善や環境整備を行ったりしますが、学生さんがイメージするような開発という仕事は無いです。 次に技術職について。 イメージしやすいのはPCを操作して図面を描いたり実験したりという仕事だと思います。 仕事としては開発部門、生産部門、品質部門など技能職より多岐に渡ります。 プラント等直接車に関わらない部門を除き、いずれの部門も技術開発のフェーズと量産開発のフェーズがあり、量産開始後は市場や製造現場で品質問題等のトラブルが発生すればスポット的に問題解決の業務が発生します。 量産開発と量産準備では誤解が多いですが、図面を描いて金型や治具製作の発注をするまでは全て技術職の仕事です。 そして納品されたもので無事に部品が作られ、クルマの形に組み上げられることを確認し、クルマの品質が担保され、量産不具合に対する保証を施したものを工場に納品します。 このときに直接作業をするのはほとんど技能職で、技術職は全体の進捗管理や音頭取りをします。 この後の運用は工場内の技能職が担います。 上記の例は生産技術の中の量産準備業務ですが、仕事の上流か下流かや扱う対象が現物かデジタルデータかが変わるだけで開発も生産も本質は同じです。 開発や設計を社外に委託する場合でも、社内で行っている仕事を委託して業務負荷を下げているだけに過ぎないので仕事の本質は変わりません。 工場の中で開発案件や技術的な仕事が無いのかと思われるかもしれませんが、当然それはあります。 技術職の中には工場の部門があり、技能系の職場と連携を取って声を吸い上げたり過去の不具合対策が新しい設備金型などに織り込まれているかを確認したり、現場での運用方針を決めて仕様を生産部門にフィードバックしたりしています。 それで技術職の中にも、大卒もいれば高卒や高専卒もいます。 専門卒は基本的にはいません。 技術職の区分内では高卒も大学院卒もスタートの給料以外は全く同じ仕事を担当します。 技能職は高卒一括採用が中心ですが契約社員からの中途採用もそこそこの割合でいます。 技能職から技術職に異動することは滅多にありませんが、上司からの評価が良く部署に空きが出たり人材の募集がかかったタイミングと合えば移ることも稀にあります。 技能職と技術職とでは業務区分と賃金テーブルが異なるため転籍という形を取ります。 転籍は部署異動や人員応援とは根本的に違うシステムなので、滅多にありません。 さて、あなたの中で開発というイメージがかなりフワッとしているようだったのでなるべく噛み砕いたつもりですが、答えになっているでしょうか。 知りたいことは知れましたか？