世の中すべてのことがムカつくと共に、自分自身に失望しています。 今まで我慢我慢の連続で、もう精神的に堪えきれません。生きるのって何でこんなにつらいのでしょうか？

生きるのが辛いって、人間は基本的にそう。でもそれを口に出して言わないだけで、みんな心に抱えてることは一緒。 でも、そういうの、現代人らしい悩みでしかない。 貴方は辛くて、弱くて、へたばりそう。そういう時には自分が大事なものを忘れている時だと思ってください。本当にそう。 自分は自分だけのものなんだけど、でも、人って自分のことを大事にしているとものすごく辛くなるし、弱いんです。でも自分以外のものを大事にしている時には全然平気になる。 だから人生って難しい。 昔はよく家族を持ったら一人前と言われてた。それはどういうことかと言うと、家族という自分以外の大事なものを持つということなんです。最愛の人達、子供に親。そういう自分以外の大事な人間を持つと、人間は本当に強く美しい人生を歩めるから。 何でもいいんですよ。ペットでも死んでいたった過去の人でも。何かの言葉でも思想でも。日本人に一番多いのは仕事、職場というものなんですね。自分の会社をおっきくしようというのが最も普通の人が抱く人生。 でも自分が大事だとばかりになると、本当に辛くなるのが人間なんです。苦しくて死んじゃう人もいる。 仕事を頑張るじゃないですか。でも難しさに突き当たると、今度は自分のために止めちゃうのが「自分人間」なんですよ。自分「が」 辛いから「自分のため」にやめる。だからどんどん辛くなるんですね。自分が自分が自分が自分が、ってどんどんぬかるみにはまって身動きが取れなくなってく。 人間は未来は絶対に見えない。見えるのは常に現在だけ。過去を思い出すことは出来る。でも未来は見えない。 だから人生には自分を前に進ませる拠り所が必要なんです。それを夢とか憧れとか言うんだけど、それを持った人間は本当に強い。でもその夢憧れというのは要は価値観のことなんですね。今の自分がどう生きるのかを決めること。決めるためには決めるだけの価値があるものが必要だと言うこと。 現代の人の夢は夢にならない。それは自分のための夢だから。 本当の夢は自分以外の大事なものを持たないと抱けない。結局夢に向わせ続けるには自分をいとおしく思っていてはダメなんです。また辛ければ止めちゃうから。 日本は戦争に負けた。戦後、戦前の価値観がすべて否定された。その結果がこれなんです。今の日本人は自己中心的ですよね？外の世界を見ず、こっち見てよばかりしてる。自分をもっと見て、評価してよ、自分を抱きしめてよ。そんな人ばかり。自分が自分がって、社会や他人に興味のない人ばかりになっちゃったじゃないですか。 アメリカは、日本と戦争することで、日本人の鬼のような強さを目の当たりにした。しかもどんなに不利な状況でも士気と統率が全然落ちない。パラオ戦では３日で日本を落とせると踏んでたのに、２ヶ月も長引いた。物量と兵士さんの数ではアメリカが圧倒してたのに。けど、団結力では日本が上回ってたんです。その団結精神が目をつけられた。 団結精神って聞くと聞こえがいいけど、軍国主義ってレッテル張りされると嫌な気持ちがする。戦前あった日本的な教育価値観も自己否定に導かれて、私達が個人主義に傾くように、生活様式から思想から何から何までアメリカンライズされたのです。個人主義はこう教えます。自分の人生は貴方だけのものであり、自分の幸せを求めなさい、自分の利益を求めさい、自分の夢を持ち、自分で自分の人生を切り開いていきなさいって。 戦前の日本人は、世のため、人のため、家のため、公共の福利とお国のために生きるのが当たり前でした。誰も、自分の幸福のために生きようなんて考えもしなかった。たくましく心穏やかに生きても、誰一人として辛いだとか、自分は不幸だとか言い立てる人もいなかった。 本屋さんを覗けばやたら自己啓発本が多くて、その中で幸福って言葉が踊ってる。知恵袋を覗けばやたら不幸って言葉が踊ってる。この幸福や不幸って言葉、その言い方が気持ち悪いんですよね。やっぱり我欲とか、わがままを押し通す意味になってるから。それこそ自分のために生きようとする態度なんです。だから現代の日本人って、幸福を追い求めるといいながら、ひたすら自分、自分、自分って、自分ってものにこだわり続けた結果、鬱病になるじゃない。「自分のため」に生きようとするから、社会生活に入った途端にストレスやなんやらって悩むようになるんだから。 会社に入ったら会社のために働けっていわれるだけですよね。家庭に入ったら家庭のために生きなきゃならなくなりますよ。大人になったら「人のため、世のために生きる」ことが今でも求められるんだから。本来、他者のために生きなくちゃいけない場面でも、自分ってものにこだわって自分のために生きようとする、このまったく違う活動を同一のモチベーションで行おうとするところに齟齬が生じてるのね。だから、１年半ほど汗水たらして就活をしたあげくに、入社した会社で「労働するモチベーション」を維持できずに三月で辞めてしまう・・・結婚生活も長続きしない・・ということが起きるんです。わがままを発揮して、自分ってものを求めるからなんですよ。 あえていうなら、幸福とか不幸って、社会とか他者のためにある言葉なのね。他者の幸福追求のために働き、他者の不幸を癒やすために相互扶助の理念を活動に移したりするんですよ。だから、同じ職場で働いてる人達や、家族の笑顔をわがことのように喜べない人は、社会人をやってけないわけ。結婚生活もやってけないわけ。 ”自分の”幸福とか、”自分の”不幸なんてものは存在しないんです。あるのは、自分以外の人達の幸福や不幸だけなんですよ。この感覚が人らしさ。そしてもっとも日本的なもの。 人って、他者を幸福する事で自分も幸福な気持ちになり、他者の不幸を見て自分も不幸な気持ちになる存在なんだから。 だから自分の幸福とか、自分の不幸とかっていいたがる現代人を見てると、気持ち悪いんですよね。人らしくないから。