「最低賃金制の発展は世界史的な法則」 世界史的に振り返ってみると、労働時間の上限を規制する工場法は十九世紀に生まれたのにたいし、賃金の下限を規制する最賃制は二十世紀の産物でした。 「最低賃金制は、工場立法と同じく、資本主義にとって必然性をもった産物なのである」(藤本武『最低賃金制』岩波新書)。 で藤本先生が詳細を記述されてるとおり世界最初の最賃制はニュージーランドで一八九四年に生まれ、資本主義の最先端を走っていたイギリスでは、それは一九〇九年に成立しました。 その後、世界各国に広がり、二八年にILO(国際労働機関)が「最低賃金決定制度の設立に関する条約」(第二十六号)を採択しました。 二十世紀に入って、世界的に最賃制の運動が広がったのには、法則的な必然性がありました。 十九世紀末から二十世紀初頭にかけて、重化学工業が急速に発展し、独占資本による中小資本の収奪、就業や雇用の構造的格差、不熟練労働者や女性労働者の増大、膨大な低賃金労働者、ワーキングプアが形成されました。 また資本主義大国は、対外侵略を競い合い、帝国主義時代に入りました。 こうした世界史的条件のもとで、十九世紀に支配的だったクラフト・ユニオン(熟練労働者中心の職業別・職能別組合)に代わって、職種や企業の枠を超えて労働者を広範に組織する新しい労働組合運動が発展し、最賃制の確立は、そのたたかいの主要な目標の一つとなりました。 (日本でも一九五九年に最低賃金法が成立したが、きわめて欠陥のある不十分なものだった) そしていま、グローバル化とICT(情報通信技術)革命の新しい世界的展開のもとで、「新自由主義」のまん延に対抗する運動が世界中で広がりはじめています。 財界や政府は、グローバル化のなかで大競争に勝ち抜くには、ICTを活用し、効率化と生産性向上でコスト削減を徹底させなければならないと主張します。しかし、グローバル化とICT革命だから、「下に下に」病を受け入れろという理屈は通りません。 グローバル化とICT革命は、経済の国際化と科学技術の新たな発展を示す世界史的条件です。 この新たな条件を労働者・国民の雇用や暮らしの向上にどう生かすか、資本主義のルールや制度のあり方が、いまあらためて問われています。
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