私は最近反社会性人格障害、サイコパス、パーソナリティー障害というものに定着しています。

反社会性人格障害の場合アメリカの統計データでは男性約３％、女性約１％と言われている。日本ではこのような疫学は発表されていない。また、アメリカでは病院のような臨床の場では３～30％が存在するとみられている。（「人格障害とその治療」町沢静夫） サイコパスの有病率は、行為障害や反社会性人格障害よりずっと低い。といっても、一般社会におけるサイコパスの率を調べた疫学研究はまだ無い。PCL-R(ヘア・サイコパステスト）を用いて診断を行うには多大な労力がいり、かつ広範囲な側副情報を必要とするからである。しかし、Paul Frickによる予備的研究によって、APSD(Antisocial Process Screening Device™：こども・青年向けの行為障害スクリーニングテスト)を用いて一般社会（子供）でのサイコパス傾向の有病率が調べられた。APSD27点が多くの研究においてサイコパス傾向を分類するうえでのカットオフ値として用いられる。この基準によると有病率は1.23%から3.46%となる。つまり行為障害の約4分の１である。さらに犯罪者を対象にしてサイコパスの有病率を調べた疫学研究もある。それによると合衆国の刑務所収容者の80％が反社会性人格障害の診断基準を満たしたが、PCL-Rによって診断すると、サイコパスの基準を満たすのは15％から25％だけであった。つまりDSM-Ⅳでの反社会性人格障害の約4分の１である。これらの知見と、反社会性人格障害の有病率が３％であることから、サイコパスの割合が確定できる。 つまり反社会性人格障害の約25％がサイコパスなので、一般社会での男性の0.75％が有病率であると推定される。（サイコパスー冷淡な脳ーJames Blair） おそらく日本でも同じぐらいの有病率であろうと考えられる。 この数値から考えると繁華街であればすれ違ってはいるはず。