残業に明確な基準はあるのでしょうか？

Question

残業に明確な基準はあるのでしょうか？残業時間の内訳に基準はあるのでしょうか？
様々な理由で定時後に会社に残る必要がある場合がありますが、
残業に含めてよい時間、悪い時間はあるのでしょうか？
具体的に思いつくのは次のような場合です。

１．新しい分野の仕事を行うにあたり、調べ物をする時間が増えた。
２．平均的な人と比べて効率が悪いという理由で仕事をする。
３．作業を特定の時間から行う必要があり、その時間まで待機した。
４．会議などが定時以降に行われた。

個人の考え方により解釈は様々だと思いますが、法律やガイドラインなどで
明確に定義されているものはないのでしょうか？

Answer 1

あります。
国の法律、「労働基準法」があり、業種、規模により１週間の就業時間（所定内時間）が決まっています。
さらに、「３６協定」を締結して、労働基準監督署に届け出ていないと残業・休日出勤をさせることはできません。
経営者の判断のみでなく、労働者との「合意」が必要です。

１ の場合・・・充分検討のうえ、変形労働時間（フレックスタイム）や裁量労働制を導入したらいかがでしょうか？
その職種の社員のみの導入もできます。社会保険労務士などに相談しないと、どういった労働時間にするか決めるのはちょっと大変ですが。
２ 明確な基準があるならいいですが、漠然と「効率が悪い」では所定外まで働かせ、時間外手当を出さない理由にはなりません。
誰が見ても納得できる合理的な基準を作りましょう。（結果、能率のいい人にはインセンティブ出すという処遇も必要になります。）
３ 業種により「手待ち」時間を労働時間から引くこともできますが、限られた範囲、条件のみです。直ちに仕事ができるようにして外出や休憩・睡眠の自由なく拘束しているなら労働時間です。
４ 会議であっても、時間外に行えば労働です。ただでさえ無駄が多い会議を、単価が高い時間外に行うのはもったいないことです。社内の連絡方法や会議内容を見直して、総労働時間に影響が出ないようにしたほうがいいと思います。

業種・規模により導入できる方法がいろいろありますので、労働局HPをご参考に。
http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/jikan/index.html

Answer 2

『労働』の定義は法律に明文化されていません。
判例の蓄積で培ってきた判例法によるところになります。
代表的な最高裁判例はこちら。最判H12.3.9
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=25346&hanreiKbn=01

端的に判断基準を示すとすれば、
・残業命令があった
・明示の残業命令がなくとも残業が余儀なくされている
・明示の残業命令がなくとも残業することが黙認されている
・使用者の指揮命令下に置かれている
このいずれかに該当すればそれは労働だと判断されることになります。したがいまして、ご質問文の4つの全てが残業であるということになります。

Answer 3

法律でいえば全ての項目残業扱いですよ。でも例えばタイムカード制で、制服に着替える必要がある職場だとします。着替える前にタイムカード押すか、後か。法律上は前でいいんです。着替えるのも仕事のうちなんですが、ほとんどの会社は後です。そのように道徳的な要素も非常に多いと思います。仕事って会社がなくなるまで終わることないと思うんです。だから時間内以降は、次に回せる物は残業するべきでないと思います。会議や待機は残業つけるかどうかは会社の判断でしょう。何も言われなければ付けていいでしょう。

Answer 4

mokkun1939さんとほぼ同じですが、補足させていただきます。
定時外に会社の管理下でその時間に拘束されていれば、全て残業となります。
従って、１～４の例は定時外に行えば、全て残業扱いとなります。
仮に「○時に課長が出先から戻って来るから、それまで待ってて貰える？」と言われて、課長が来るまで会社に残っていれば、その間何もしていなくてもその時間は残業扱いとなります。

優秀で仕事は全て定時内に終えられるＡ君。
仕事が遅く、毎日遅くまで残業しているＢ君。

この場合、Ａ君に残業代は支給されませんが、Ｂ君には残業代を支給しなければいけません。
納得いかない部分もあると思いますが、これは法律です。
業務能力の有無に関わらず、定時外に仕事をさせれば残業代を支給しなければなりません。