天下りと再就職の違いは何ですか？

「天下り」は「再就職」の一種です。 狭義では、 １．早期退職した中央省庁の高級官僚が、 ２．所属していた官庁が所轄する外郭団体や関連企業・法人に、 ３．官庁の「あっせん」によって、 ４．官僚時代の地位に応じたポストで再就職すること。 を指します。典型的な例としては、国土交通省の幹部職員が道路公団や民間建設企業に再就職したり、文部科学省の幹部職員が大学の理事になったりするものがそれにあたります。 より広義には、地方公務員における同様の仕組みを「天下り」と呼ぶことがありますし、民間企業においても、親会社→子会社や元請け→下請けなどの斡旋に拠る人事をそう呼ぶことがあります。例えば、テレビ朝日の社長は平成以降で８人いますが、うち５人は朝日新聞社の出身です。 もちろんそこには、送り出す側から受け入れる側への、「斡旋」という名の圧力があるわけですから、「天下り」は批判的な意味を込めて使われる言葉ですし、国家公務員法では、天下りをした者が出身省庁に対して便宜を図ることを禁止しています。 ただし、一部には受け入れ側からのニーズによる天下りというのもあります。極端な例ですが、自衛隊の操縦士が民間航空会社のパイロットとして再就職するような場合です。