将来建築に携わりたいと考えてます。 現在全く違う別の道を進んでいますが出来る事なら住宅の設計をしたい。 デザインの仕事がしたいのです。

リクエストいただきありがとうございます。 現在大学院で建築学を専攻しているものです。来年度から某大手ゼネコンで働くことになっています。 デザインが志望ということで、それに絞って説明させていただきます。 ＞資格が無くて建築設計の仕事は出来るのか。 はいできます。現在、建築士の資格を得るには2級建築士であれば大学を卒業すれば受験資格が得られますが、1級建築士は大学卒業後2年間の実務経験が必要です。よっていずれにしてもはじめは無資格のまま1級建築士の人に指導してもらいながら、仕事をします。その後、多くの場合は資格を取得します。 しかし、どうしても資格を取れない場合も設計の仕事をすることは可能です。ちなみに私の実家は設計事務所を営んでおりまして、祖父と父は1級建築士を持っていますが、所員の方は皆さん1級建築士を持っていなくて、2級建築士か、無資格です。（年齢は30代～50代みたいで、若いからというわけではないみたいです） 「お給料等は最低限生活できれば構いません。」ということなので、大丈夫だとは思いますが資格の有無は昇進に大きく響くことを心に留めておいてください。 ＞出来るなら一度でいいから建物から中までデザインするような仕事に携わりたいです。 その場合どのような学校(夜間があり二重学籍が許可された所に限ります)へ行き、どのような会社へ就職することが近道でしょうか。 学校としては、貴方もあげられているように理科大の2部は大きな候補の一つに入ると思います。 専門学校としては早稲田大学芸術学校、中央工学校はいかがでしょうか。 早稲田芸術学校は夜間の教育機関として設立されたもので、1911年創立でとても歴史があります。昼間は働いているという学生がいまでもとても多いことで知られています。講師陣も建築の名門である早稲田大学で教授をしている先生がほとんどで、早稲田大学の学生と同じ質の授業を受けることができます。また大学院でもっと建築を学びたいという学生が、早稲田大学大学院建築学専攻に進学することもあります（成績優秀者には推薦制度があります）。 中央工学校も歴史があり、建築の名門として知られています。夜間コースもあり、余談になりますが田中角栄がOBであることも有名です。私の実家の設計事務所にも中央工学校のOBが何人かいらっしゃいます。先日も中央工学校の学生が手塚貴晴氏に作品を公表してもらうという番組が放映されていましたが、社会的にも高く評価されてるようです。 会社について、大手の設計事務所になりますと、有名大学・大学院を卒業したり、学生コンペでの受賞歴が必要となってきます。また住宅というよりも、大規模建築物がメインとなってきます。そこでアトリエ系設計事務所がいいのではと思います。「アトリエ系」というのは主に有名建築家が主催する設計事務所で、小規模であることが多いです。住宅から中規模の建物、家具や内装まで幅広く取り組むことができます。就職の仕方としては最初はアルバイトに行くか、学校からの紹介が必要かと思います。学生の場合は模型や図面作成のアルバイトを行い、その後大学・専門学校を卒業するとともに就職します。貴方が会社の休みの日も手伝いにいけるのであれば、チャレンジしてみるのも手です。そのかわり、薄給激務を覚悟してください。アトリエ系設計事務所の中には、従業員は2年間程度の間でノウハウを盗んでもらい、独立するのが普通であると考えているところもあります。その場合、アルバイトの学生とほとんど変わらないような給料で、ほぼ毎日仕事、徹夜も頻繁ということも十分にありえます。 地域密着型の設計事務所もいいかと思います。住宅・中規模建築の設計に多く関われると思います。アトリエ系ほど薄給激務ではなく、一般的な会社程度の勤務時間です。ただ内装やインテリア、特殊な形状や奇抜なデザインは難しいと考えてください。 最後に専門学校にいくことで単なるデザインではなく、構造デザインや設備設計に興味をもたれるかもしれません。建築のデザインというのは大学・専門学校関係なく「センス」が要求されます。その場合は構造設計事務所や設備設計事務所も検討してみてください。 厳しいことも書いてしまいましたが、私の研究室の先輩にも一度社会人になり、建築系専門学校卒業後、大学院に進学し修士課程を修了して就職したかたもいらっしゃいました。がんばってください！