新築の仕様を考えています。制震対応について教えてください。 東京 土地 １５坪 3階建て 木造 在来工法 です。

①新築とは「木造の住宅」の事なのでしょうか？ プロの間でも木造の住宅程度の「低い建物」で、市販の「制震装置」が有効なのか？ どうかは論議の分かれるところなのです。 ➁僕個人の勝手な意見を言わせて頂ければ、「期待は出来ない！（どのメーカーでも同じです）」と考えています。その理由を以下に書いてみます。 1.阪神大震災では多くの「木造住宅」が倒れましたが、この主な理由は「家が古い上に違法状態だった」「敷地一杯に建てられていたので修繕工事も出来ていなかった」と言う、都市部ならではの問題点があったのです。 2.「木造の建物（住宅のサイズ）」であれば、破壊する振動はT=0.2秒（キラーパスと言います）だと言われていますので、建物を守るのであれば「振動を0.2秒よりも長く変化させるのか？」「振動のエネルギーを吸収してしまうのか？」しか「安い制震装置」では対応する事は出来ないのです。 今のところ、全てのメーカーは「振動を熱のエネルギーに変える方法」ですから、テキトーに配置しただけでは「期待しただけの効果」は無いのですが、それぞれの「家の形状」まで考慮しているメーカーはありませんので、期待するのは難しいでしょうね。 ③「免震装置」もあるのですが、地盤が悪いと「揺れが増幅します」ので「硬い地盤（最低でも30KN/㎡）」でないと採用は難しいのです。 「結論」： これは「極論」なのですが、下手に「各種の装置」に依存する場合には「それ相応の費用」が掛かるのと、地盤によっては「逆効果」なので、一番良い方法は「地盤の固い土地」を選択する事ですね。 但し日本の市街地は、そのほとんどが「扇状地」なので、「硬い地盤」には該当しませんので、不便ですが郊外「地盤の良い土地」を選んで頂くしか「根本的な解決策」はありません（極めて無責任な話なので恐縮です） その上で「耐震等級3」にして頂ければ、費用の割には「地震に強い家」が完成しますので、お勧めですね。 「地盤が固い郊外の土地が良い！」とは書きましたが、実際には暮らしにくいので、少なくても「土地の地耐力が30KN/㎡の土地」を探してください。 余談： 「超高層ビル」や「スカイツリー」の様な形状の場合には、油圧シリンダーをコンピューターで制御する「高価な制震装置」が付いているのですが、この最大の役割は「強風時の揺れの押込み」と「地震時の揺れる幅の押込み」の効果なので、振動を感知して常に「逆の力（反力）」を建物に与えて姿勢を保ちますので、値段が安い木造住宅用の「制震装置」とは、狙っている効果そのものが違うのです。 時々高層ビルの写真を使って、まるで「同じ物を使っています！」と言う様な誤解を与えかねない広告がありますが、上記の様な理由から両者は「違う物」ですから、間違えないでください。 「補足」があれば「追記」が可能です。