・財閥不動産、大手マスコミ(TV、広告、出版)の総合職は早稲田慶應東大で9割レベルの世界、自民党(閣僚)、日経225社長・経営幹部、総合商社、大手金融、大手法律(弁護士)、公認会計士は7割超の世界。大手メーカーは就職自体は地方旧帝大などの比率も高いが、経営幹部(文理)となると、早慶東でかなりの比率を占める。 ・世界ランキングは教授比率、教授人数、留学生比率、博士率などが重要であり、欧米のような大学院社会・博士社会とは形式が異なり、日本には適用できない部分が多い(偏差値→就職→昇格の指標とは全然異なったものになる)。逆に博士率や教授数とも連動するポスドク在籍者数は東大、京大、阪大、九大の順に多く(東大はこの中では抜けていくのが早い・多いであろうが)この旧帝大に見られるポスドク問題は科研費補助の多寡とは裏腹に深刻な問題となっている。 早稲田理工系の教授数は500人超(2019年)、慶應理工は250人、さらに地方旧帝大は早稲田より理系教授が多いことが予想され、東大京大はさらに多い。論文数は教授数に比例し、むやみに教授数を研究力とする誤解も多々あったが、これこそ教授数を勘案すれば、研究力は偏差値に比例したものとなり、偏差値は就職力・輩出力・研究力に相応していたわけである。東大・慶大→京大・早大→阪大→地方帝大・上理・・・の偏差値序列が人材力を決める。 早慶は長期にわたる研究国際投資方針を打ち出したが、寄付金・受託研究額が首位の慶應、準じる早稲田が2020年代にどこまで伸ばせるか見物である。計画が実現すれば(国際)大学ランキングは大きく上昇することとなる。 ・【東京大学】 センター有の偏差値最高学府で20世紀まではあらゆる業界(政財官学マスコミなど)で輩出、各界貢献もひときわの一流大学であった。ただし、超一流企業への就職率は高いであろうが(民間だけではない)、上場企業社長数や東証一部経営者数では21世紀に入ってから慶應に抜かれるなどした。政界・財界・マスコミ・学会・官界など各界では慶應を中心に他大の存在感も大きくなり、東大卒が絶対的な存在ではなくなってきている。 また、官庁ブラックやポスドク問題などで東大の絶対メリットは薄まっており、現在は安定・収入の医学部や早期の慶應付属なども超優秀層から人気を集めている。 すなわち元々は絶対的な学府で今なお最高学府であるが、徐々に剥がされている部分がある、という状態である。 ・【医学部】 医師となる可能性が絶対的に高く、安定性・職業威信・収入・独立性・尊敬・需要などが非常に高い水準にあり、人気が高く難関学部となっている。かつて私立医学部は「金銭入試」と揶揄されたが、現在は偏差値も高く、医師国家試験は高い能力を要する。 ・【慶應義塾】は一時期から東大・医学部崩れの学生を集める入試形式をとった経緯があり、結果的な入学者学力が非常に高くなった。ブランドを築いた現在は第1志望者も狙う形式だ。 就職・マネジメントに関して三菱・三井・芙蓉などで東大と肩を並べ、場合によっては東大卒より「最適」となるブランド企業すらある。20世紀は学歴威信としては現在よりも相当に弱かったが、21世紀以降は経済界はもちろん難関資格職、政界、医療、マスコミ、学会など各界で非常に際立つ。 理系においても先端、提携、設備などがピカイチで併願私立ということで優秀な学生も拾える仕組となっている。ただし、文系人数が多く、全体で見た教授比率、教授獲得資金率、留学生比率などの「教育リソース」「国際性」は高いとは言えず、財政は企業や個人からの寄付や受験収入で賄っており、早稲田も同様である(世界ランキングのキーポイント)。ただし、早慶は長期での国際・研究投資方針を打ち出したので将来大きく変わる可能性がある。 また、政財界上流階層では東大より志向される傾向が強まっており、附属で青田買い、独自の小論文制度で表現・作文(社会人は表現、交渉、伝達が非常に重要)など、推薦で社会性も見るのか卒業後の活躍にも主眼を置いている。 慶應幼稚舎と呼ばれる小学校(卒業生は医師1割以上(他大医学部へ)、一流企業ほか学者・弁護士会計士など多)やもはや司法最年少合格に政財界に医師にと超エリート集結の慶應中など「内部」があるが、落第や転校もよくあり、高学力者でなければ卒業できない仕組となっている。
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