正社員と契約社員の違いとは?

正社員と契約社員は何が違うのでしょうか?

正社員も契約社員も、会社との間で雇用契約を結ぶ労働者であることには変わりがありません。
雇用契約は、「期間の定めのない雇用」と「期間の定めのある雇用」に分けられ、期間の定めのある雇用契約を結んでいる労働者が、契約社員と呼ばれます。
もちろん、正社員も雇用契約を結んでいるので、正社員と「契約」社員という呼び分け方は本来は不自然なのですが、なぜか契約社員という呼び方が定着しています。
「非正規労働者」という呼ばれ方をすることもあります。

では、「期間の定めのない雇用」と「期間の定めのある雇用」は何が違うのでしょうか。

期間の定めのない雇用

「期間の定めのない雇用」とは、契約が終了する期限が定められていない雇用契約のことです。
契約が終了する期限が定められていないので、契約が解除されない限りは契約が続くこととなります。
従業員が契約を終了させたい(退社したい)場合は、従業員から会社に対し、退職届を提出することになります。従業員側からは、いつでも、理由なしに契約を解除できることになっていますので、従業員が退職届を出した場合、会社が退社を拒否することはできません。

他方、会社が契約を終了させたい(解雇したい)場合には、会社は自由に解雇できるわけではありません。労働契約法16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定められており、不合理な理由による解雇は無効となるのです。
したがって、期間の定めのない雇用関係の場合、会社は社会通念上相当で合理的な理由のある解雇でない限り、従業員を一方的に解雇することはできませんが、従業員は自由に退職できるという関係にあるのです。

期間の定めのある雇用

「期間の定めのある雇用」では、最初から、契約が終了する期限が定められています。3カ月、6カ月、1年間などという期間が定められることが多いでしょう。
この場合、契約は最初からその期間しか成立していないこととなり、契約が更新されなければ、期間の満了により契約は当然に終わることとなります(契約期間の途中での解雇については、正社員と同じく、常識的で合理的な理由のある解雇でない限り認められません)。

契約社員のデメリット

「期間の定めのある雇用」は、契約が更新されなければ、当然に雇用が終了してしまうという点で、長く働きたい従業員にとっては望ましくない契約となります。しかも、あまり知られてはいませんが、従業員からの契約期間途中での退職も、やむを得ない理由がない限りは認められないとされています(民法628条)。やむを得ない理由がないのに従業員が期間途中に退職してしまうと、損害賠償を請求される可能性もあります。

このように、契約社員が結ぶ、期間の定めのある雇用契約は、期間満了後に雇用が継続される保証がないという点と、期間途中での退職が自由ではないという点で、二重に従業員にとっては望ましくない契約と言えます。

この記事の執筆者

勝浦敦嗣弁護士

勝浦 敦嗣弁護士

弁護士法人勝浦総合法律事務所 代表弁護士。東京大学法学部卒業、2001年弁護士登録。大手企業法務事務所、司法過疎地での公設事務所勤務を経て、現在、東京と大阪で弁護士11名が所属する勝浦総合法律事務所にて、労働事件を中心に取り扱う。

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