会社都合退職と自己都合退職の違いについて
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会社都合退職、自己都合退職とはどういうものですか?
会社都合退職
会社都合退職(会社都合で退職した人を「特定受給資格者」といいます)とは、従業員からの希望による退職ではなく、退職の原因が主に雇用主側にある退職のことを指します。
例えば、
- 会社の業績悪化による整理解雇
- 会社からの退職勧奨に応じた合意退職
- 事業所の廃止による解雇
などがこれに当たります。
解雇は原則として会社都合退職となりますが、従業員側に重大な責任がある場合は自己都合退職となります。
なお、自分から辞めた場合でも、以下の理由で退職することとなった場合は会社都合退職となります。
- 労働契約が実際の内容と著しく異なっていた
- 賃金(退職金以外)の未払い(賃金の1/3を超える金額が2カ月連続(または、退職直前6カ月中3カ月)支払われない)
- 賃金が予想外に85%未満に低下した(することになった)
- 退職前6カ月間に(1)連続3カ月で45時間超、(2)1カ月で100時間超、または(3)連続する2カ月以上の残業を平均して1カ月で80時間超の残業をした
- 産休、育休、介護休暇を取れなかった、または、妊娠等を理由に不利益な扱いを受けた
- 職種を変更されたが、自分の職業生活を継続するための会社からの配慮がなかった
- 3年以上継続雇用された契約社員が雇い止めにあった
- 雇用契約書に契約期間の更新が明示されているのに雇い止めにあった
- 上司や同僚からパワハラ・セクハラ・マタハラを受けた
- 事業主から直接・間接的に退職推奨を受けた
- 会社の都合による休業が引き続き3カ月以上となった
- 会社が各種法令に違反した
「会社都合退職」の関連質問- 教えて!しごとの先生
自己都合退職
一方、自己都合退職とは、退職の原因が主に従業員側にある退職のことをいいます。
具体的には、転職、病気、結婚などを理由に自ら会社を辞める場合です。
「自己都合退職」の関連質問- 教えて!しごとの先生
会社都合退職と自己都合退職のメリット・デメリットとは?
失業保険について
会社都合退職(特定受給資格者)と自己都合退職では、失業保険を受ける条件が大きく異なります。
被保険者期間が6カ月間でOKになります
通常は、失業保険を受給するためには、過去2年間で12カ月以上雇用保険に加入している必要がありますが、特定受給資格者の場合、過去1年間で6カ月以上雇用保険に加入していれば受給対象となります。
受給開始が早まります
通常は、退職してから失業保険がもらえるまでに3カ月強の期間が必要ですが、特定受給資格者の場合、7日後からの分の支給を受けることができます。
給付日数が増えます
条件により異なりますが、特定受給資格者の場合、失業保険を受けることができる上限の日数が増えます。
以上のとおり、会社都合退職をした人(=特定受給資格者)の場合、失業保険を受け取る際に有利に扱われます。
転職活動について
ところが、常に、会社都合退職の方にメリットがあるわけでもありません。次の転職活動の際、履歴書に会社都合退職と書かれていると、転職活動に不利と考える人もいます。「会社都合で退職させられるということは、会社にとって不要な人材だったのでは?」という印象を持たれるというのが理由です。
とはいえ、自己都合退職であっても「すぐに自分から退職するなんて我慢がきかないのでは?」と思われることもあるでしょうし、一概に自己都合退職の方がいいというわけでもありません。
特定理由離職者制度について
ここまで、会社都合退職の場合は、自己都合退職よりも失業保険が手厚いという説明をしてきました。ところが、実は自己都合退職の場合でも会社都合退職と同じ条件で失業保険を受けられる場合があります。それが「特定理由離職者」という制度です。 これは、要するに「やむを得ない理由による自己都合退職については、他者都合退職と同じように失業保険を与える」という制度です。具体的には以下の場合です。
- 従業員が契約の更新を希望したのに更新がなされず退職した場合
- 心身の不調や負傷により退職した場合
- 妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第 20 条第 1 項の受給期間延長措置を受けた場合
- 父母の死亡や病気により父母の介護が必要となるなど、家庭の事情が急変したことにより離職した場合
- 単身赴任が困難になり退職した場合
- 結婚後の引っ越し、保育所の利用、事業所の移転等の理由で通勤が困難(片道4時間以上)になり退職した場合
以上のとおり、長時間労働がつらくて自分から辞めた場合なども失業保険が手厚くもらえることを知らない方は多いのではないでしょうか。ただし、退職の事情によって、失業保険の内容が異なることがありますのでご注意ください。
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