現在勤務している零細特許業務法人が倒産寸前です。対税務署だけでなく、対特許庁でも「予納金残高が不足」での手続却下処分とそれに対する対応が10年以上前から続いており、5年前に負債背負って引き継いだ代表弁理士は借金まみれで悲惨極まりない生活しています。家賃滞納で事務所を追い出された前科もある程です。代表弁理士の奥さんは精神病発症して実家に帰ってしまったそうです。 最近入社した平成一ケタ台で合格した弁理士は特許でも商標でも非常に優秀な方なのですが、何故だか自己の経営していた事務所を閉鎖し、事務所を転々として現在我が特許事務所で活躍しています。しかし、彼も経済的に非常に苦しいらしく、警備員やら塾講師等のバイトをしています。 鈴〇等の大手でも大規模なリストラをした位だし、所詮下請な特許事務所には夢も希望も無いのでしょうか?知人の弁理士でも景気の良い人を全く見ません(但し大手メーカ勤務を除く)。 自分は鬱病抱えているし、本音は知財業界に嫌気が差しているので異業種に転職希望しますが、今迄の経歴上から異業種には逃げ場も無さそうです。で、今の御時世、安心して定年まで居られる特許事務所って・・・そもそも存在するのでしょうか?
なにも、「今のご時世」を論ずる必要はありません。「安心して定年まで居られる特許事務所」などという物は、昔から存在しておりません。 大手特許事務所と言っても、たかが従業員300年程度、労働組合も無い中小企業です。収益力の無い従業員は容赦なく首を切って、新しい人を入れるというのが、「ごく普通」のやりかたであって、今始まったことではありません。よって、首を切られた人は、新しい事務所に入って、しばらくして又首を切られて、……の繰り返しです。 たしかに、現在は、出願件数が減少し、どの事務所も合理化を迫られていることも確かで、状況は厳しくなってきています。よって、「余った」従業員は、容易に首を切られるでしょう。仕事の出来る人だけが、定年まで「平の明細書書き」として残れるでしょうね。大手では、管理職に就ける人もいるでしょうがごくわずかでしょう。 現在では、特許事務所だけで無く、普通の企業でも、終身雇用などは保障されなくなってきています。定年までいられるかどうかは、一般論では決まらず、個人の能力で決まります。 書いてあることが本当であれば、今いる事務所が、10年続いていたことが奇跡的ですね。 まあ、こういう事務所は、最低でしょうから、転職できれば転職した方が良いと思いますが、少なくとも「鬱病抱えているし、本音は知財業界に嫌気が差しているので異業種に転職希望」の人にとっては、以上のような一般論を論ずるまでも無く、「安心して定年まで居られる特許事務所」という物は、あり得ないとことは確実ですね。
今おられる事務所との比較という意味だと、現状よりましな事務所の方が圧倒的に多いと思います。リスクは常についてまわりますが、サイコロ振って適当に他の事務所に移られたとしても、確率的には状況が大幅に改善される可能性の方が高いかと。 この業界だと、事務所を渡り歩いて3つめ、4つめという人も珍しくないです。同じ事務所に入所してから定年前後まで勤めてますという人の方が少数派ではないかと思います。しかし、安心して定年まで居られるかどうかは別として、精神的な意味で居心地のいい事務所なら割とあると思いますよ。もっとも、人があまり辞めないので、なかなか表立って求人は出さないと思いますが。 景気のいいところ、成長しているところは事務所自体としては一番経営が安定していると思いますが、仕事量やノルマもきつい場合が多いので、バリバリ仕事してバリバリ稼ぐのが自分の性に合わないのなら避けた方が無難です。大手も規模が大きいので安定感はありますが、規模が大きいと人材(特に平所員)も消耗品/単なる明細書作成マシーン扱いになってしまうためか、人の出入りの激しいところが多いです。私が以前勤めていた大手だと10年で7割入れ替わるという感じでしたね。
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