アイ・エイチ・アイマリンユナイティドとユニバーサル造船の合併をどう思いますか？ 艦艇と商船の設計はそれぞれどんな面白さ，辛さがあると思いますか？

リクエストありがとうございます。 質問がいくつかわかれていますので、それぞれにお答えします。なお、「どう思うか」と言う質問には、あくまで私の主観においてお答えしておりますので、求められている答えになっているかどうか、わかりませんが・・・。 ＞まず，アイエイチアイマリンユナイティドとユニバーサル造船の合併につ＞いてどう思われますか？ 特に驚くことでもなく、業界再編の中では自然な流れだろうと思います。元々、両社ともに日本鋼管や日立造船、住友重機など、準大手規模の造船会社が合併したものでしたので。 特に両社は艦艇以外だと、VLCC（大型タンカー）や大型コンテナ船などが主力であり、世界的に船の価格が下落する中、特に韓国や中国など海外勢との競争が激しい分野でもありますので、経営規模の大型化や、次世代貨物船等の研究開発において、メリットはあると思います。 ＞低コスト，大量生産を売りにしている中手の造船所とは異なり，どちらも高い技術力を背景に高付加価値の船を売りにしてる会社だと思うのですが，この二つの会社が合併しようものなら，三菱重工も川崎重工も太刀打ちできませんか？ 高付加価値という点では、まだ三菱重工長崎や川崎重工に一日の長があります。 三菱長崎は、ポット型推進器と通常スクリューを直列に並べて二重反転スクリューと同じ効果で高速省燃費を狙った、世界最速のフェリー「はまなす」の建造や、「飛鳥」「クリスタルハーモニー（飛鳥Ⅱ）」「ダイヤモンド・プリンセス」級といった大型客船など、商船の中でも特に高付加価値の商品を主力としており、その点ではやはり他の追随を許しません。 川崎重工は、神戸の潜水艦建造は有名ですが、質問でも触れられているとおり、坂出工場ではLNG船を得意としており、これも通常の貨物船より付加価値の高い船舶です。 質問でも言われているとおり、各社とも得意とする分野が微妙に異なるところがありますので、住み分けはできると思います。むしろ、世界的にライバルとなるのは値段で押してくる韓国勢や中国勢でしょうね。 ＞あと，艦艇部門で設計をするのと，商船部門で設計をするはそれぞれどんな魅力，長所，短所があると思いますか？ 実際に設計したことがあるわけではないので、確実なことは言えません。しかし、艦艇、特に戦闘艦艇と商船では求める性能が全く異なるので、設計的には全く異質なものになると思います。 例えば、艦艇は構造材を十分配置できるため、外板は非常に薄くできていますが、甲板に大開口を設けるコンテナ船などでは構造材の配置が限られるため、強度を確保しなければならない部分に、極厚の鋼板を使用するなどの設計を行っています。 今後、艦艇設計の主なテーマはステルスデザインと建造コストの低減、商船の場合はやはり省燃費ということになると思います。どちらも技術的には興味深いですね。 ＞あと，tsune00さんはなんでこんなに船にお詳しいのですか？趣味ですか？ 元々軍艦好きが高じての、純然たる趣味です。