働き方改革関連法で何が変わる?対応すべきポイント

はじめに

2018年通常国会で働き方改革関連法(正式名は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」)が成立しました。

この働き方改革関連法は、1つの法律ではなく、いくつもの法律の改正が含まれるもので、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法、パート法、派遣法などの法律が対象となっており、改正内容も多岐にわたるものです。

働き方改革関連法で対応すべき8つのポイント

それぞれの変更点や何を対応すべきかについては、以下の記事で詳しく説明しています。

ポイント【1】:「労働時間上限規制・サブロク協定(36協定)の改正について」
ポイント【2】:「労働時間把握義務について」
ポイント【3】:「医師による面接指導について」
ポイント【4】:「有休義務化について」
ポイント【5】:「勤務間インターバル制度について」
ポイント【6】:「高度プロフェッショナル制度について」
ポイント【7】:「フレックスタイムについて」
ポイント【8】:「均等・均衡待遇について」

何が、どう変わった?

まず、大きなところでは、労働時間関係において、制度変更があります。これまで我が国の労働法においては、残業させることのできる労働時間については上限が決められていませんでしたが、この上限が決められました。

また、使用者には、労働者の労働時間の把握義務があると判例上は認められていましたが、これが法律上も明記されました。さらに、インターバル規制の努力義務が法律上に加わるなど、長時間労働是正を図る方向での制度変更・創設があります。

次に、有給休暇においても、大きな変更があります。これまでは有給休暇は労働者がその時季を指定して取得するものでしたが(計画年休制度を除く)、10日以上の有給休暇が付与される労働者については、使用者が5日については時季指定しなければならなくなりました。今まで、有給休暇を取れていない職場やパート・アルバイト労働者などについて、大きな影響があるものと思われます。

さらに、均等・均衡待遇に関する法整備がなされました今までも、有期雇用労働者については労働契約法でに、パート労働者についてはパート法に、正社員との不合理な格差を禁止する規定がありましたが、有期雇用とパート労働についてはこれが統合されます。また、これまで配慮義務だった派遣社員については、義務にするなどの改正がなされました。

そして、国会では最大の焦点となった「高度プロフェッショナル制度」も導入がなされ、労働時間規制の適用がない働き方が創設されました。また、フレックスタイム制を、現在は最長で1カ月単位でしたが、3カ月までを期間とできる改正がなされました。

これらの改正内容の中で、特に影響が大きそうなのは、労働時間関係、有給休暇、均等・均衡待遇だと思います。施行日については、下記の通り改正内容の中身によって若干ずれていますので、注意が必要です。

労働時間上限規制

大企業2019年4月1日~
中小企業2020年4月1日~

均等均衡待遇

大企業2020年4月1日~ 
中小企業2021年4月1日~

労働時間把握義務、インターバル規制努力義務、有給休暇、高プロフェッショナル制度、フレックス

2019年4月1日~(企業の大小は問わず)

※中小企業とは、小売り・サービス業は資本金5,000万円以下、卸売業は資本金1億円以下、その他は資本金3億円以下の企業、または、常時使用する労働者が小売業では50人以下、サービス・卸売業では100人以下、その他は300人以下の企業を言います。

この記事の執筆者

佐々木亮弁護士

佐々木 亮弁護士

東京弁護士会弁護士。旬報法律事務所所属。日本労働弁護団常任幹事。ブラック企業被害対策弁護団代表。ブラック企業大賞実行委員。首都圏青年ユニオン顧問弁護団。民事事件を中心に取り扱う。また、労働事件は労働者側・労働組合側の立場で事件を取り扱う。

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