子育てママ・パパが転職を成功させるコツや転職のベストタイミングとは?

更新日:2023年12月18日

子育てママ・パパが転職を成功させるコツや転職のベストタイミングとは?

「育児」と「仕事」の両立に、悩みや葛藤を抱えていませんか。「よりよい育児」と「仕事での自己実現」を目指して奮闘する日々のなかで「転職」という選択肢を持っておくことは、とてもよいことです。本記事では、育児と仕事の両立に悩む子育てママ・パパが転職をするときに、知っておきたいメリットやリスク、転職のタイミングについてご紹介します。

育児と仕事の両立に悩む原因は何か

転職を検討するときのスタートラインは、育児と仕事の両立に悩む「原因」を明らかにすることです。どんな苦痛を抱えていて、何をどの程度解消すれば、幸せを感じられそうか。悩みの原因は複数あるかもしれませんが、ご自分で書き出して整理してみましょう。

働く時間や場所

「何時何分の電車に乗らないと、保育園のお迎えに間に合わない!」「いつも時間に追われて、子どもにイライラしてしまう」と、毎日時間とタスクに追われた生活をしていると、働く時間や場所の制約にストレスを抱えがちです。たとえば、週に何日くらい在宅勤務の日があれば、子どもにイライラをぶつけないですむ、心にゆとりある生活を取り戻せるでしょうか。あるいは、通勤時間は何分までなら許容できるかなど、具体的な数値に落としてシミュレーションしてみることがポイントです。

職場での孤立感

「子どもが熱を出したのでお休みしたい」と伝えたとき、「お大事に」と言ってもらえても、いつも過度な申し訳なさや居心地の悪さが心に残るなんてことはありませんか。また、制度は整っていても使いづらいようなら、「子育てママ・パパ」がそもそも働きづらい組織文化なのかもしれません。とはいえ、組織を構成しているのは「人」です。「世代間の価値観ギャップによって、育児と仕事の両立を心から応援できていない」「子育て社員への優遇に不満を持っている」など、特定の上司や同僚の心持ちに反応してしまっている可能性があります。まずは、ご自分の捉え方が過敏になっていないか、自分自身で確認しましょう。そのうえで、「やはり馴染めない」と思うのであれば、「どういうコミュニケーションに孤立感を覚えるのか」「自分から提示できる改善点はあるか」など、状況を客観的に見つめて、ご自分なりの折り合い点を探しておくことが大切です。

仕事内容や報酬への不満

「ママでも働きやすい業務を担当してもらおう」と仕事内容が変わることで、本人としてはやりがいを感じられないことが多々あります。これは、「マミートラック」と呼ばれます。さらに、働きがいを感じられないうえに「時短を選択したゆえに、新卒1年目よりもお給料が低くなった」などの場合は、働いていること自体がまるで罰のように感じられることがあるかもしれません。また、男性が積極的に育児に参加することへの理解が低い会社は、まだまだ多いのが実情です。育休を取得した男性が出世コースから外れるなど「パパハラ」の問題も指摘されています。このように、自分ではどうにもできない制度や組織文化が最大の原因であるなら、転職へと舵を切る前に社内の「是正」に動いてみるのも一手ですし、同時に「これは受け入れ難い」と自尊心を持つことで、転職においても譲れない条件が見えてくるはずです。

子育てママ・パパが転職するメリットとリスク

次に、子育てママ・パパが転職するメリットとリスクについて考えてみましょう。

PCで仕事をする女性
PCで仕事をする女性

子育てママ・パパが転職するメリット

子育てママ・パパが転職するメリットは、「子どもにとって、自分にとって、家族にとって、最適だと思える職場を、自分で自由に選べる」という開放感ではないでしょうか。新しい職場や仕事内容に慣れるまでの数ヵ月は、緊張が続くかもしれませんが、従来とは違った職場環境で新しい人と出会うことで、「自分にはこんな強みがあった」「他の人はこんな工夫をして両立している」と、さまざまな自己発見や学び、刺激もあるでしょう。そして、納得のいく転職ができれば、「よりよい育児」も「仕事での自己実現」も、両輪でうまくまわり始めるため、心の余裕を取り戻せます。子どもへの接し方で自己嫌悪に陥り「自分は何のために働いているのだろう」という虚無感を抱えることもぐんと減って、子どもや家族との時間をより大切に過ごせるようになるでしょう。

子育てママ・パパが転職するリスク

一方で、子育てママ・パパが転職するリスクも、しっかり見据えておかなくてはなりません。ひとたび転職すると、すぐにまた動くのはとても困難です。繰り返しになりますが、新しい職場や仕事内容に慣れるまでの数ヵ月は、緊張が続くはずです。「ミスできない」「いきなり休んで迷惑をかけたくない」「早く貢献して認められなければ」と、大きなプレッシャーを抱えるかもしれません。その結果、「多少は無理してでも、いまは仕事優先で」と、アクセルを踏んでしまい、「育児」と「仕事」の両立をよりよくするはずが、「育児が疎かになってしまう」ということにもなりかねません。その他にも、入社後に「思っていた以上に、働きづらい」と感じる場合もあります。人事担当者が「両立しやすい会社にしたい」と、本気で願って応募者に伝えていたとしても、実は経営陣の足並みが揃っていない、「両立しやすい職場のために求められること」への認識が社内でバラバラ、制度が整っていないなど、さまざまなケースが考えられます。

子育てママ・パパが転職活動を成功させるコツ

それでは、子育てママ・パパの転職活動では、どんなことに気を付けるべきなのでしょうか。ここでは、転職活動を成功させるためのコツを3つご紹介します。

ありたい姿や目標を明確にする

最初に、転職を通じて、ありたい姿、克服したい苦痛、実現したい目標などを、明確にすることが大切です。転職は、新しい会社に入社した後で、長く続けるためにするものです。「逃げ出すため」の転職は、できるだけ避けましょう。このときのポイントは、まずは誰に遠慮するでもなく「自分軸」で「理想像」を具現化すること。そのためには、書き出す、第三者に聞いてもらう、などの手段もおすすめです。

働く条件を具体的に示す

次に、「ありたい姿」を実現するために、絶対に譲れない条件を明確にしましょう。「いつまでに」「何回」「何時間」「いくら」など、時期や数値を用いて具体的にイメージすることが大切です。また、「MUST(絶対に譲れない)条件」と「WANT(できれば叶えたい)願い」を、分けて考えることや、「Aが叶わなくても、BとCが○○ならOK」など、さまざまなパターンで“OKライン”を具体化しましょう。それをもって、面接で「交渉する」「探りを入れる」ことで、応募企業が本当にありたい姿を実現するために適した職場かどうかを、判断する精度が上がっていきます。

家族としてのキャリアを考える

「家族としてのキャリア」考えるという視点を、取り入れることもおすすめです。たとえば、「パートナーが昇進や起業などチャレンジングな時期は、自分はサポートに回って挑戦の時期をずらす」「子どもが小学校に上がるなど、子どもにとって負荷が高くなるタイミングは避ける」など、「家族と大変な時期をずらす」という方法もあります。反対に、「家族みんなが自分自身の新たな挑戦をしていくフェーズ」と捉えて、家族一丸となって取り組むのも一手でしょう。家事代行サービスを利用する、シッターさんに育児を手伝ってもらうなど、積極的に第三者の協力を得ることで、仕事に充てる時間を確保することも、いまの時代では当たり前です。家族で「よりよい育児」と「仕事での自己実現」について、時間をかけながらもゆっくりと話し合い、お互いを尊重して助け合って転職を成功させることができれば、転職したあともスムーズに新生活のスタートを切ることができるでしょう。

子育てママ・パパにとって、転職のベストタイミングとは?

最後に、子育てママ・パパにとって、転職のベストタイミングとは、一体いつなのかを考えてみましょう。「家族としてのキャリア」を考えるならば、「家庭にとってのベストタイミング」は各家庭それぞれですが、「第1子の年齢」は1つの目安になるでしょう。

子どもを見守りながら仕事をする男性
子どもを見守りながら仕事をする男性

0歳〜3歳の子連れ転職、タイミングは?

この年齢の子どもは、離乳食への対応や、体調を崩しやすい、イヤイヤ期など、親として気を使うことも多く、転職にはハードルが高いかもしれません。一方で、もう少し大きくなると習い事なども気になってきますし、自分自身の年齢も上がってきます。若いうちに転職しておく、その後で第2子を検討するなども、人生トータルで考えればよい選択肢といえるでしょう。

4歳〜5歳の子連れ転職、タイミングは?

この年齢の子どもは、体力もついてきて、だいぶ生活が安定します。小学校に入学すると生活が一変するので、いまのうちに転職しておくのはベストタイミングといえるでしょう。また、この年齢になると保育園や幼稚園にも入りやすくなって、転園を視野に入れた転職も検討しやすいかもしれません。子どもの性格や特性もだいぶ把握できてくるので、「子ども自身が幼児期を楽しく過ごせる」ように寄り添いながら、仕事での自己実現も諦めない、地に足のついた検討をしやすいでしょう。

小学校入学〜低学年の子連れ転職、タイミングは?

小学校に入学すると、宿題や、登下校の送迎、学校の行事やPTA、先生や友達との人間関係など、保育園や幼稚園時代とは違った“タスク”が出てくるので、子どもをフォローできる余力を残しておくことをおすすめします。一方で、子どもの意思疎通能力や状況理解能力も上がってくるので、「ママ・パパを応援してね」と転職に踏み切って親の頑張る姿を見せることは、キャリア教育という観点でよい面もあるでしょう。

小学校中学年〜高学年の子連れ転職、タイミングは?

小学校中学年から高学年になると、習い事や受験などで、親としての役割が大きく求められる家庭もあります。だからこそ、親も自己実現を諦めたり自分を犠牲にしたりせず、「一緒に頑張ろう」と、受験と転職に親子で挑むのも1つの選択肢です。

まとめ

子育てママ・パパが、「よりよい育児」と「仕事での自己実現」を目指した転職で成功するためには、「自分にとってどうか」「家族にとってはどうか」と、両面から検討していくことが鍵になるのではないでしょうか。ぜひ、本記事をきっかけにして、「ご自分が納得できる転職のあり方」を見つけてくださいね。

テキスト:藤川 理絵

ファミリーキャリアコンサルタント。「家庭を自己実現のプラットフォームに」をテーマに、主に20代〜40代の共働き夫婦のキャリア開発支援・両立支援に取り組んでいる。子連れ転職3回経験、週4勤務の時短正社員、ワーママ副業社員などを経て2018年に独立し現在はフリーランス。テックビジネス系のライターとしても各種メディアなどで取材・執筆多数。
保有資格:国家資格キャリアコンサルタント・米国CCE, Inc.認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラー

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