副業選びは職業価値観に沿ってキャリア構築を前提に行おう
更新日:2024年9月26日
副業選びは職業価値観に沿ってキャリア構築を前提に行おう
本業以外の収入の柱として副業を解禁する企業が増える中、副業となる仕事を探している人もいるでしょう。
ネットサービスの普及もあり、副業も選択肢が豊富になってきているため、何を基準に選べばいいか迷うこともあるかもしれません。
そこで今回は、副業を選ぶ際の注意点について、仕事に求める価値観やキャリア構築という目線から解説します。
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副業だからこそできるキャリア構築
副業は、本業の労働時間外に本業とは異なる仕事に従事することです。
ただし、副業を行うにあたり、副次的な仕事という目線に偏って仕事選びをしてしまうと、選択肢を狭めたり選択を誤ってしまったりすることがあります。
ここでは、副業を選ぶ際に必要な目線について紹介します。
副業は副収入目的だけでは継続が難しい
副業の目的は、本業の収入とは別に自分が必要とする副収入を得ることです。そのため、副業選びの基準に「収入額」を優先してしまうことも少なくありません。
もちろん、生活費の補填のためにそうせざるを得ない場合もあります。
しかし、収入目的だけでは、本業に加えて業務負荷が増えていると感じ、結果的にやる気を失って辞めてしまうことも少なくありません。
最悪の場合、精神や肉体面のストレスによって本業に悪影響を与え兼ねません。
副業の経験は自身のキャリア形成にも活用できる
副業といえば、知人の仕事を手伝ったりアルバイトやパート求人に応募したりするのが一般的でした。
しかし、クラウドソーシングのようなネット完結型サービスなどの普及によってフリーランス的な働き方も可能となり、副業の選択肢は増えています。
そのため、本業では経験できないことにも挑戦できる環境が整いつつあります。
副業を本業以外の業務と割り切るのではなく、本業では経験できないような仕事を選ぶことも不可能ではなくなっており、キャリアの構築や自分のキャリアの方向性の模索にも活用できます。
副業を始める前に仕事への価値観を見極めよう
副業は、本業以外の時間を使って働くことによって収入を得る行為です。
そのため、仕事として向き合う一面もあり、自分が副業を通してどうなりたいかを明確にすることが重要になります。
ここでは、副業にも関係する「キャリア」の考え方や副業の継続にも欠かせない「職業価値観」について解説します。
キャリアとは何か
厚生労働省の定義では、「キャリア」とは仕事上の経歴や経験、関連した職務の連鎖などを指します。(外部サイト)
キャリアを継続的に積むことで、さらに高いレベルの仕事を遂行する能力である「職業能力」が蓄積されていくとされています。
一方、アメリカの心理学者であるドナルド・E・スーパーによると、キャリアとは人生のそれぞれの時期で果たす「役割(ライフロール)」を組み合わせて、「自己概念=ありたい自分」を実現しようとする試みとされています。
つまり、キャリアは単純に業務遂行能力に必要なものではなく、自分が理想とする生き方を実現するためのものと考えられているのです。
副業を選ぶ前に職業価値観について考えよう
誰しもが、働く上で「仕事に求める価値観=職業価値観」を持っています。本業で仕事を経験している人は、未就労の人よりも職業価値観が明確になりやすいという一面があります。
職業価値観として収入額を重視する人にとっては、収入基準で副業を選ぶのは苦ではないでしょう。
しかし、他者に貢献することにやりがいを感じる人は、収入だけで満足できない恐れがあります。
また、人に束縛されずに多様性のある仕事をしたい人にとっては、指示された単純作業を繰り返す仕事は苦痛にしかならないでしょう。
そのため副業を選ぶ際には、自分が仕事に対して求める価値観を明確にする必要があります。
ドナルド・E・スーパーの「14の職業価値」
「14の職業価値観」は自分が仕事に求める条件に当てはまるため、自分が優先するものを3つほど抽出して副業選びの軸にしてみましょう。
本業では、自分の職業価値を満たせていない事も少なくないため、選択の自由がある副業では職業価値観を満たすものを選ぶことがおすすめです。
- 1.能力の活用:自分の能力を十分に発揮できる
- 2.達成:良い結果が生まれたという実感を得られる
- 3.美的追求:美しいものをつくることで人生を豊かにする
- 4.愛他性:困っている人のために仕事をする
- 5.自律性:自分なりのやり方で仕事を自由に進められる
- 6.創造性:新しいものやアイデアを創り出せる
- 7.経済的価値:高い報酬が得られて生活水準を高められる
- 8.ライフスタイル:自分のペースでワークライフバランスを重視した仕事ができる
- 9.身体的活動:身体や体力を活かした仕事ができる
- 10.社会的活動:仕事をやり遂げることで社会的に評価される
- 11.危険性、冒険性:自分がワクワクするような挑戦的な仕事ができる
- 12.社会的交流性:一人ではなく複数の人と協力しながら働ける
- 13.多様性:ルーチンワークではなく変化に富んだ仕事ができる
- 14.環境:安全性や快適性が高い心地よい職場環境で働ける
ここでは、自身のキャリア設計を見据えた上で副業を選ぶ際に参考となる目線を4つ紹介します。
職業価値観にあわせた副業でキャリア設計をしよう
「14の職業価値観」は自分が仕事に求める条件に当てはまるため、自分が優先するものを3つほど抽出して副業選びの軸にしてみましょう。
本業では、自分の職業価値を満たせていない事も少なくないため、選択の自由がある副業では職業価値観を満たすものを選ぶことがおすすめです。
ここでは、自身のキャリア設計を見据えた上で副業を選ぶ際に参考となる目線を4つ紹介します。
1.副業の仕事選びを就職や転職と同じ目線で考える
大切なのは、副業であっても就職や転職と同じ目線で仕事を選ぶということです。副業は、本業と同じように「自己概念=ありたい自分」を実現するためのものです。
そのため、就職や転職のように自己分析によって自分と向き合った上で、キャリア構築につながる仕事を選ぶようにしましょう。
2.本業等で培った経験を活かすことを前提にする
副業は本業に加えて行うものであり、成果が得られなかったり失敗が続いたりすれば自己効力感を下げてしまい挫折につながりかねません。
また、これまで全く経験がない仕事をするとストレスになるのはもちろん、成果物納品型の副業では、時間がかかって収入が増えにくいという問題も抱えてしまいます。
これまでのキャリアを棚卸しした上で、本業の経験や業界の知見を活かすなど、本業に関連するキャリアを伸ばせるような副業を選ぶ目線も持ちましょう。
3.これまでできなかった「やりたいこと」を軸にする
副業は、本業という収入の軸が既にあるため、比較的自由に仕事を選べます。
そのため、職業価値観と照らし合わせながら、自分が本来やりたかったようなことに関連する仕事を選ぶこともできます。
たとえば、趣味がサイクリングで自転車に関わる仕事がしたいのであれば、自転車店で働くのはもちろん、自転車関係の商品紹介記事の執筆といった仕事が考えられます。
4.将来的な目標目線で副業を選ぶ
副業に興味がある人の中には、将来的に独立開業や何か成し遂げたい目標を持っている人も少なくありません。
その場合は、将来自分が達成したいことにつながるキャリア構築の場として副業を選んでみましょう。
たとえば、将来的に自分で小売販売をしたいのであれば、ECサイトの運用や商品の仕入れといった業務委託を受けることで、収入を得ながら経験を積むことが可能です。
このように副業は、将来の目標達成に必要な能力や経験を積むというキャリア構築にも活用できます。
まとめ
副業は必ずしも副次的な仕事ではなく、本業では経験できないような仕事を選ぶ事もできます。
副業によって、本業に関連するスキルを伸ばすことができるのはもちろん、自分のありたい姿という意味での「キャリア」の構築も不可能ではありません。
まずは、ドナルド・E・スーパーの「14の職業価値」を参考に、自分が仕事に対して求める価値を言語化して、副業選びの軸の一つとしてみましょう。