職務経歴書の書き方ガイド サンプルのダウンロードあり
更新日:2024年9月26日
職務経歴書の書き方ガイド サンプルのダウンロードあり
転職活動で応募企業に提出する職務経歴書は、履歴書と並んで、採用・不採用を決める大きな要素の一つです。個人情報や基本情報を記載する履歴書とは違って、職務経歴書は「これまでの自分はどのような仕事をしてきたのか」を伝える書類なので、自分を採用するメリットを企業にプレゼンテーションする役割を持ちます。重要な書類だからこそ、職務経歴書を「どのように書けば良いのだろう」「どうすれば採用担当者に好印象を与えられるのだろう」とお悩みの方も少なくないでしょう。
今回の記事では、採用担当者に「刺さる」職務経歴書の書き方をご紹介します。職務経歴書に関してよく寄せられる質問とその答えも掲載しているので、転職活動を控えている方は参考にしてください。
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職務経歴書と履歴書の違い
「履歴書を提出するのに、なぜ職務経歴書も書かなければいけないのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。職務経歴書と履歴書はまったく異なる性格を持った書類です。採用担当者がチェックするポイントもそれぞれ異なるので、どちらも提出するように求められています。以下の表に、職務経歴書と履歴書の違いをまとめてみました。採用担当者に好印象を持ってもらえるように、それぞれの書類に見られるポイントの違いを理解しましょう。
採用担当者に「刺さる職務経歴書」にするための3つのポイント
職務経歴書は、一つの読み物を作るようなイメージで書くのがおすすめです。採用担当者が目にしたとき、スラスラと読みやすく、記憶に残る魅力的な内容にまとめられればベストです。特に押さえておきたいポイントを、以下に3つご紹介します。この3点をしっかり意識すると、応募企業の採用担当者に「刺さる」職務経歴書が作れます。
企業の人材ニーズを把握する
同じ業種・職種でも、企業によって人材に何を求めるかは異なります。いくら優秀で経験豊富な人物でも、その能力や経験が企業のニーズにマッチしていることをうまく伝えられなければ、なかなか採用にはつながりません。転職活動で効果的に自分をアピールするためのポイントは、「企業が求めているのはどのような人材か」を明確に把握することです。職務経歴書は、自分がそのニーズを満たす人材だと伝えるために必要になってきます。企業の求める人材像は、募集要項や採用ページなどに掲載されています。まずは、提示されている人材像のなかに、自分と重なる部分を見つけてください。そして、企業が求める人材と自分が近いことを、具体的なスキル・経験と併せて伝えられるよう、職務経歴書の内容を工夫してみましょう。
市場価値を定量的に明確にする
職務経歴書には、つい「社内で営業成績1位を〇カ月連続獲得」や「入社〇年で年間MVPを獲得」という伝えやすい経歴を書いてしまいがちです。しかし、実際に職務経歴書を読むのは、まったく別の企業の採用担当者です。企業によって評価基準や社員のレベルは異なるので、これまで勤めた企業内での評価が参考になるとは限りません。大切なのは、「市場ではどのように評価されるのか」が分かるような職務経歴書を作ることです。このとき、具体的な数値を用いるなどの工夫をしてみましょう。
おすすめなのは、成果につながった行動や工夫をアピールすることです。前の会社で営業成績1位を獲得したのであれば、そのためにどのような工夫をし、どんな行動をしてきたのかを具体的に書けば、採用担当者も採用後にどれぐらい活躍してくれるのか判断する材料になります。ここでも数値を交えて、客観的に説明するのがポイントです。
応募企業ごとに職務経歴書を最適化する
複数企業に応募している場合、すべての企業に同じ職務経歴書を提出したり、部分的に変更するだけで済ませたりするのは得策ではありません。企業ごとに求めている人材は異なるので、人材ニーズを満たす内容で職務経歴書を作ります。複数の企業に応募すると忙しくなりますが、応募企業ごとに異なる職務経歴書を作成しましょう。
職務経歴書のサンプルダウンロード
職務経歴書を作るうえで内容が重要なのはもちろんですが、その内容を分かりやすく伝えるには、全体のレイアウトも大切な要素です。そこで、職務経歴書のサンプルを3パターンご用意しました。それぞれの特徴を知ったうえで、自分の経験や強みを最も効果的に伝えられるパターンを選びましょう。
※ファイルのダウンロードはPCを推奨しております。
パターン1:編年体形式
経験やキャリアを時系列に沿って記載していくのが編年体形式です。履歴書の学歴・職歴欄と同じようなスタイルで、経歴やスキルの習熟度がひと目で分かるのが特徴です。最もベーシックな形式なので、採用担当者も見慣れていることが多く、形式に迷ったときには編年体形式にするのがおすすめです。
パターン2:逆編年体形式
編年体とは逆に、最新の仕事内容から時系列を遡って記載するスタイルを逆編年体形式と言います。前職の経験を前面に押し出したい場合や、社会人経験が長い方が直近のスキル・経験を分かりやすくアピールしたい場合におすすめです。
パターン3:キャリア形式
時系列ではなく、業務分野やプロジェクト単位などで職務経歴をまとめるのがキャリア形式です。業務内容ごとの習熟度や経験を分かりやすく伝えられるので、多くの転職を経てきた方にもおすすめです。
職務経歴書の書き方・含めるべき内容
職務経歴書に記載が必要な内容は次の4つです。
- 要約(サマリ)
- 職務経歴・業務内容
- 資格・活かせるスキル
- 自己PR
それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
要約(サマリ)
冒頭に、職務経歴書の内容をまとめた要約文を書きます。分量は100文字程度が目安です。要約文には、職務経歴書の「あらすじ」としての役割だけでなく、これまでにどのようなことをしてきたのかを端的に伝える「キャッチコピー」的な役割もあります。初対面の第一印象と同じで、要約文が魅力的だとその先も良い印象を持って読み進めてもらえます。採用担当者に好印象を持ってもらえるように、要約は力を入れましょう。
職務経歴・業務内容
職務経歴書のメインとなる部分です。具体的には、以下のような内容を書くと良いでしょう。
- 在職期間
- 企業名・部署名
- 企業規模
- 事業内容
- 雇用形態
- 自分の業務内容(担当エリア・取引顧客なども含む)
- 実績
- 工夫した点
まずは「どこで、どのような業務を行ってきたのか」を事実ベースで記載します。そのうえで、その業務において自分が積み重ねてきた実績と、そこにつながった行動を記載します。ここで、「刺さる職務経歴書」を意識しましょう。具体的な数値を挙げ、客観的な実績を伝えます。ポイントは、自分の成果と併せて「母数」を示すことです。例えば、自身が達成した売上額を記載するのであれば、会社の売上高が母数として適切かもしれません。何を母数とすべきかはケースによって変わりますが、自身の貢献分がどれくらいであるかが分かる母数を併記し、実績が効果的に伝わるようにしましょう。
資格・活かせるスキル
所有している資格や、応募企業で活かせるスキルを記載します。資格は、実務経験とセットになると高評価につながるので、業務と関連する資格から優先的に書いていきましょう。資格名・点数だけでなく取得日も忘れずに記入します。スキルは、職務経験に基づくスキルの他、パソコンスキルや語学力などの汎用的なビジネススキルも書いておくと良いでしょう。
自己PR
自己PRでは自分の強みや魅力をアピールします。ここで最も重要なのは、「自分を採用するメリット」を企業が感じられるような内容を記入することです。それには、企業が求めている人材像を把握することから始めます。十分な自己分析をしたうえで自分の魅力を言語化し、応募企業の人材ニーズと自分の魅力がどのくらいマッチしているかを盛り込みます。自己PRは、文章でも箇条書きでも構いません。その代わり、欲張ってあれもこれも書くのではなく、重要な部分を印象的に伝えるように意識してください。
そのまま提出は注意!職務経歴書のチェックポイント
職務経歴書はきわめて重要な書類です。一通り書き終わったら、そのまま提出せずに、必ず内容を再確認しましょう。以下に提出前のチェックポイントを挙げたので、活用してください。
- 誤字脱字がないか
- 経歴欄の年月に誤りはないか
- 社名や部署名に誤りはないか
- 日付や氏名などの基本情報が抜けていないか
- 見出しやタイトルを設けた読みやすいレイアウトになっているか
- フォントや文字サイズ、全角・半角の不統一はないか
- 誰が読んでも分かりやすい文章で書けているか
- 実績や工夫は具体的に書けているか
職務経歴書の封筒
職務経歴書を入れる封筒への記載内容も、忘れてはいけないチェックポイントの一つです。封筒は長形ではなく、書類を折らずに封入できる封筒(角型A4号や角型2号など)を選びましょう。無地で、中身が透けてない厚めのタイプが適しています。人事部など「部署」宛で郵送する場合や、受取人が指定されておらず「採用担当者」に送る場合、敬称は「様」ではなく「御中」を用います。差出人の郵便番号・住所・氏名は、裏面左下に記載しましょう。封筒の表面、宛名から離れた位置(縦書きの場合は左下)に「応募書類在中」と太めの赤ペンで記載し、同色の枠で囲みます。スタンプを用いても構いません。
職務経歴書は履歴書と同封するのが基本です。上から順に、添え状→履歴書→職務経歴書→その他の書類と重ねます。無色透明のクリアファイルに入れてから封入すると、美しい状態のまま担当者に届くのでおすすめです。抜け漏れがないか最終確認したら糊付けして封を綴じ、中央に封字「〆」を黒ペンで記します。切手の貼り忘れにも注意が必要です。手渡しのときは、住所や社名の記載、添え状は必要ありません。
面接での回答との整合性を確認
面接では、職務経歴書の内容と重なる質問が多くなります。そのときに職務経歴書に書いた内容と異なる回答をすると、信頼が揺らいでしまいます。職務経歴書の内容と質問の回答に整合性が取れるよう、面接に臨む前に、質問の想定回答と職務経歴書の内容を照合しておきましょう。改めていうまでもないことですが、事実と異なることを職務経歴書に記載したり、面接で答えたりするのはNGです。「ちょっとくらいいいだろう」とうそを付くと、記載内容と発言との食い違いが生じて信用を失います。
【Q&A】職務経歴書に関するよくある質問
職務経歴書について多く寄せられる質問と回答例を10個ご紹介します。
Q誤字脱字やミスをしてしまったときは書き直すべきですか?
必ず書き直すべきです。面倒かもしれませんが、職務経歴書は採用・不採用に関わる重要な書類です。転職への本気度を示すためにも、ミスがあれば絶対に書き直しましょう。
Q職務経歴書を面接で手渡しする場合、どのタイミングで渡せばいいですか?
面接開始前に面接官に渡すパターン、開始後に渡すパターン、受付で渡すパターンなどがあります。指示があれば従い、なければ自然なタイミングで渡しましょう。
Qメールで職務経歴書を送る場合、どのファイルで送ればいいですか?
レイアウト崩れの心配がないPDFファイルを推奨します。
Q職務経歴書は何枚くらいでまとめればいいですか?
A4用紙1〜2枚に収めるのが基本です。3枚を超えると読むのが大変になり、伝えたい部分が伝わりづらくなります。
Q職務経歴書に退職理由は書くべきですか?
基本的には不要です。ただし、家族の介護など事情があって離職期間が長くなっている場合には、経歴説明の意味で記載するほうが良いこともあります。
Q営業職ではないので、アピールする内容がありません。どうすれば良いですか?
営業職でなくても、アピールできる内容はたくさんあります。業務効率化や顧客へのサポートなど、自分が行っていた業務を言語化し、業務のなかで行った工夫を記載しましょう。応募企業での再現性をアピールするのもおすすめです。
Q自己PRに書く内容が思いつきません。どうすれば自分の魅力が見つかりますか?
Q職務経歴書のフォーマットはどうやって選べばいいですか?
フォーマットによって、特にアピールしたい部分が異なります。自分のアピールポイントを最も効果的に伝えられるものを選びましょう。
Q職務経歴書で使えるフレームワークなどはありますか?
STARがおすすめです。「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(成果)」の枠組みで情報を整理してみましょう。
Q履歴書と職務経歴書、どちらが大事ですか?
目的が異なる書類なので、どちらかがより大切ということはありません。そもそも面接において「最も大事なこと」はありません。書類、メールの文面、電話での話し方、面接時の所作、質問の回答など、すべてが判断材料としてチェックされます。
まとめ
職務経歴書は、採用・不採用を左右する重要な書類です。これまでの経歴をただ記入するだけでなく、応募企業の人材ニーズをくみ取り、自分がそのニーズを満たせることをアピールできるよう、内容を工夫しましょう。採用担当者に「刺さる職務経歴書」を作成し、転職を成功させたい方は、第三者に添削してもらうのもおすすめです。先輩や友人に見てもらうのも良いですが、最も効果的なのは、専門家である転職エージェントによる添削です。職務経歴書に自分の実績をしっかり記入できれば、面接にも自信を持って臨めるでしょう。また、添削を受けて職務経歴書をブラッシュアップする過程で、自分の強みをより深く理解できることもあります。そうすれば、面接でもさらに的確な回答ができるようになるかもしれません。万全の体制で面接を迎えられるように、あなたも転職エージェントによる応募書類の添削を受けてみませんか?
テキスト:瀬良 万葉