副業を始めるにあたって抑えるべきポイントを解説

更新日:2024年9月26日

副業を始めるにあたって抑えるべきポイントを解説

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ネットやニュースで目にすることが増えている「副業」。

働き方改革の一環として、2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(外部サイト)を策定したこともあり、注目が高まっています。

これから始めようと考えている方や、すでに準備を始めている方もいるかもしれません。ただ、実際に副業をするためには、抑えておかなければならない事柄がいくつかあります。

今回は、注目が高まっている副業について、運用上の注意点や成功へのポイントを詳しく解説します。

副業とは?

副業は、法律や制度などで明確な定義がなされているわけではありません。

政府の報告書などでは、「収入を得るために携わる本業以外の仕事 (中小企業庁 兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する調査事業 研究会提言)(外部サイト) 」とされています。

つまり、メインの収入源となる仕事以外に行っている仕事を。本業の契約労働時間が終わった後や、休日に別の仕事をして収入を得ることを指しています。

また、 経団連の報告書(外部サイト) では、単に収入の補填を目的とした働き方ではなく、ワークエンゲージメント(働きがい、働きやすさ)を高めるものを副業だともしています。

副業によって、もたらされている効果は、イノベーションを生み出すことや、職場環境の改善など、単に収入増にとどまっていないことが明らかになってきているからです。

副業と兼業の違いについても、法的に分類はされていませんが、一般的に、主となる(時間や収入)仕事があって他にも仕事をする場合は副業、二足のわらじのように、同等の労力で複数の仕事を兼ねていることを兼業と言われています。

本記事では、双方の違いにはこだわらず、副業として扱っていきます。

副業のメリット

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副業への意識が高まっている理由に、メリットが挙げられます。

ここでは、労働者にとってどのようなメリットがあるのかを見ていきます。

収入の増加

わかりやすいメリットとしては、収入の増加が挙げられます。

本業だけで生活をしていくことが難しい場合や、今後のために資産を増やしたいなど、人によって理由は様々ですが、自由時間を有効活用して仕事をすれば、収入につながります。

スキルや経験の習得

本業を辞めることなく他の仕事に従事できるため、新しいスキルや知識を身につける機会として副業を活用することができます。

2016年に改正された職業能力開発促進法では、労働者に主体的な能力開発の努力義務が課されています(第三条の三)(外部サイト)。

そのため、副業により自分の能力を高めていくことは有効な手段です。

自己実現

今の生活を投げ打って、自分がやりたいことへ踏み出せるかというと、現実的に難しいこともあります。

しかし、本業で安定した収入があり、生活の基盤が安定していれば、副業として自分が本当にやりたいことに挑戦することが可能です。

試作の実行

転職や起業を考えたときに、副業で試しに挑戦することができます。

例えば、自分のカフェを開きたいと考えた場合、いきなり本業を辞めて資金を注ぎ込み、物件を構えて始めるのではなく、自宅の一角などでコーヒー教室を副業でやってみることから始めた方がリスクは低くなります。

副業の注意点

このようなメリットがある副業ですが、行うにはいくつか注意が必要な点があります。

本業先の就業規則を確認する

本業先で副業が禁止されている場合、他で働いて収入を得ていると、懲戒処分の対象になる可能性があります。

申請制で許可している職場もあるため、必ず就業規則を確認しましょう。

特に、副業が忙しくなり本業に支障をきたすことや、本業と同じような仕事をして競合すること、本業で扱う個人情報等を利用することは、避けなければなりません。

労働時間・場所を切り分ける

本業の就業時間中は職務専念義務があるため、労働契約で決められている労務を提供しなければなりません。本業中に、副業の事務処理や連絡等を行うことは、このルールに反します。

また、例え就業時間外であっても、本業先のパソコンや電話、プリンター等の備品を副業の用途で使うことは認められません。

健康管理に気をつける

本業が正社員の場合、副業は法定労働時間外で働くことが多いかと思います。そのため、全体の労働時間が長くなってしまい、健康障害を引き起こす可能性があります。

月の労働時間が法定労働時間より長くなればリスクが高まるので、自分がトータルでどのくらい働いているのか確認しましょう。

確定申告を忘れない

本業での給与収入以外に、副業等での所得が20万を超える場合は、税務署への確定申告が必要です。

例えば申告をしなかった場合、本来収めるべき税金が収められていないため、延滞税のペナルティが発生します。

自分が確定申告をしなければならないかがわからない場合は、税務署へ相談をしておきましょう。

副業を始めるためのポイント

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実際に副業を始める際には、次のポイントを参考にしてみてください。

目的を明確にする

まずは、自分が何を目的として副業をするのかを明確にしてから始めましょう。

収入を増やしたいのか、自分の夢を叶えたいのか、スキルアップをしたいのか、実務経験を積みたいのか、何のために副業をするかなどです。

目的によって、働き方や仕事選びが変わってきます。ここを明確にすることによって、準備や情報収集も進めやすくなります。

現実的に可能な時間と労力で始める

転職や独立とは違い、本業を継続しながらの追加業務になるため、本業に支障が出ないこと、健康を害さないことが前提です。

自分のキャパがどれくらいあるのか、週に何時間程副業で動ける時間があるのか十分に見立ててから始めましょう。

また、本業が季節や時期によって繁忙期があるような仕事をしている場合も、それを見越して計画をしないと、本業先、副業先共に信頼を失ってしまいかねません。

契約形態を確認する

副業として仕事をする際は、副業先との契約内容を確認しましょう。契約の種類は、大きく2つ、雇用契約か業務委託契約かです。

雇用契約の場合は、法律上「労働者」となるため、最低賃金や労災など、法律で守られて働くことができます。

業務委託契約の場合は、労働者ではないため、法律による保護がありません。そのため、契約内容をよく確認していないと、思わぬトラブルが発生してしまうこともあります。

副業におすすめの仕事

最後に自身のスキルを活かした仕事や、スキルや経験がなくても始めやすい仕事などを紹介します。

これから副業しようと考えている方はぜひ参考にして下さい。

専門スキルを活用できる仕事

ITエンジニアやマーケティング、デザイナー、映像ディレクターなど、専門スキルを活用した副業は、即戦力として募集があります。

また、社会保険労務士や中小企業診断士、行政書士などの士業系の資格や、組織でのマネジメントや人材管理の経験も活用しやすい専門性です。

最近は、大手企業や自治体でも専門スキルがある副業人材の活用事例がいくつか出てきています。

専門スキルを活用して副業する場合は特に、競合や機密情報など、本業との兼ね合いに注意をしましょう。

専門スキルがなくてもできる仕事

パソコンで文字入力ができれば、データ入力や文字起こしなど、専門スキルがなくても隙間時間に作業可能な仕事があります。

また、Webライターや資料作成、ナレーション制作、アンケートモニターなど、未経験からスタートできる仕事がクラウドソーシング系のサイト等で募集しています。

未経験の場合は、初めから高収入を狙うことは難しいかもしれませんが、経験を積み、実績や人脈が蓄積されれば、経験者を対象とした、より規模の大きな案件に挑戦することも可能です。

まとめ

実際に副業を始める際には、次のポイントを参考にしてみてください。

目的を明確にする

副業は、単に収入を増やすだけの手段ではなく、スキルアップや自己実現など、自身のキャリアにとっても良い影響をもたらしてくれる可能性があります。

ただ、注意すべきポイントを押さえておかないと、本業でのトラブルに繋がってしまいかねません。

副業をうまく活用して、よりよいキャリアを手にするために、十分な情報収集と準備を行なってから始めましょう。

星野 宏

星野 宏

プロフィール:キャリアサポートオフィスprocess代表。1981年三重県生まれ。メーカーで生産管理・物流管理に従事し、人事に転職。2012年からフリーのキャリアコンサルタントとして活動。企業や官公庁、教育機関で、個別キャリアコンサルティングやキャリア教育に携わる。また、キャリアコンサルタントの指導・育成も行う。 保有資格:キャリアコンサルティング技能士1級、公認心理師

キャリアサポートオフィスprocess(外部リンク)

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