山崎製パンはブラック企業です。 こんな記事がある。 ↓ 「知り合いだけで10人ほどが指を落としている」 山崎製パンの“ブラックすぎる”労働環境とは…「死亡事故も頻発」 4/13(土) 6:08配信 デイリー新潮 国内シェア4割を誇るガリバー企業 1月9日、総売り上げ1兆円超のヤマザキグループを率いる飯島延浩・山崎製パン社長の次男で社長候補だった佐知彦副社長が謎の急死。 2月24日には千葉工場で死亡事故が発生した。悲劇の裏には何があったのか――「パン業界のガリバー」の書かれざる正体。【前後編の前編】 目下、山崎製パンは「春のパンまつり」キャンペーンの真っ最中である。対象の商品についてくる点数シールを集めると必ずもらえる、あの白い皿やボウルが自宅にある、という方も多かろう。 また、「春のパンまつり」に応募したことはなくとも、多くの人が同社の食パンや菓子パンを一度は口にしたことがあるに違いない。 山崎製パンはわれわれ日本人にとって、極めて身近な会社である。 ヤマザキグループ連結での2023年12月期の売り上げは1兆1756億円、従業員数は山崎製パンだけで約1万9000人。業界2位以下の10社の売上高を全て足しても及ばない、国内シェア4割を誇る、パン業界の「ガリバー」企業だ。 1948年、創業者・飯島藤十郎氏が千葉県市川市に山崎製パン所を開業したのが起源。現在、社長を務める飯島延浩氏(82)は3代目だ。 「ロイヤルブレッド」などの食パンや「まるごとソーセージ」といった総菜パン、和菓子や洋菓子を自社で作って売るだけではなく、「流通」までグループ会社でまかなうのが同社の特徴の一つである。 白地に黒色の「ヤマザキ」の文字が躍り、外国人風の女の子がパンをかじるイラストと、太陽のモチーフのシンボルマークが描かれたトラックが日々、全国各地にある工場から、コンビニやスーパーまで商品を運んでいる。 死亡事故を発表せず そうした独自の物流網を生かし、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの大きな災害が起こった際、被災地にいち早く支援物資としてパンを届けて称賛を集めてきたのも今や広く知られる話だ。 今年元日の能登半島地震の際も、自衛隊員たちが山崎製パンのトラックからパンを運び出す様子がSNSにアップされて話題を呼んだ。 こうした“美談”の上、テレビCMには清廉なイメージのある女優の松たか子や芦田愛菜らが起用されているのだから、ヤマザキの企業イメージは悪くなろうはずもない。 目に見える部分に限ると、「超のつくホワイト企業」といったイメージを抱いてしまうのではないか。 しかし、光あるところには当然、影もある。 それを象徴するような事故が起こったのは、去る2月24日のことだった。 千葉市内にある山崎製パン千葉工場において、アルバイトの加藤静江さん(61)がベルトコンベアーに巻き込まれて死亡したのである。 「加藤さんは菓子類の製造作業中にベルトコンベアーに巻き込まれ、胸を強く圧迫されたとみられています。 午前10時20分ごろ“女性がベルトコンベアーに挟まれ、意識がない”と工場の関係者から119番があり、病院に搬送されましたが死亡が確認されました」(全国紙社会部デスク) ちなみにこの事故は一部の新聞などが報じたことで発覚。山崎製パンは今にいたるまで事故に関して何ら発表していない。 事故の経緯は 亡くなった加藤さんは、千葉市内の県営住宅で一人暮らしをしていた。 近隣住民によると、 「10年ほど前にはもうここに住んでいたと思います。確かお子さんが2人くらいいたはず。 月に1回、住人のみんなで掃除をする時に顔を合わせていましたが、気さくな人でした。 事故のあと、家族らしき人と整理業者らしき人が部屋に出入りしていました」 捜査関係者が明かす。 「事故が発生したベルトコンベアーは複数の菓子を載せた鉄板が運ばれていくものでした。 何らかの理由でその菓子がこぼれ落ち、すぐに駆け付けたのが、別の機械で作業中だった加藤さんでした。 加藤さんはベルトコンベアーを止めずに、コンベアー内の菓子を取ろうとしたようです」 そして不幸にも、 「ベルトコンベアーのバーに右腕を挟まれた上で奥に引き込まれ、支柱の部分に胸が挟まって圧迫される格好になってしまったのです。 ベルトコンベアーの幅は20~30センチくらい。安全カバーなどは付いていませんでした」 ちなみに通常、ベルトコンベアーには安全カバーが付いているという。 また、ベルトコンベアーの主電源を切った上で回収していれば起こらなかった事故だったのかもしれない。 「知り合いの社員だけで10人ほどが指を落としている」 山崎製パン元社員によれば、 「例えば、和菓子の串団子の串が折れて詰まってしまってベルトコンベアーがストップした、というようなトラブルの場合、本来は主電源を落とした上で折れた串を取り除く作業をしなければなりません。 しかし、主電源まで落としてしまうと、商品の一部がダメになってしまう可能性がある。 そのため、主電源を落とさないまま修理に当たることがあるのです」 そうした手法で修理に臨んでいた場合、 「詰まっていた串団子の串が取り除かれ、不具合が解消すれば、ベルトコンベアーは動き始めてしまいます。その時に体が巻き込まれたりしてケガをしてしまうことがあるのです」(同) 特に多いのが指を切断してしまう事故だという。 「指が根元から一本丸々なくなってしまうこともあるし、第一関節から先がなくなる場合もある。あるいは、いったん指を落としてしまったものの、すぐに病院に行ってくっつけてもらうケースもあります。私の知り合いの社員だけでも、10人ほどが指を落としています。 そのうちの一人は10年ほど前、古河工場(茨城)での事故でした」(同) どうやら、安全面では「超ホワイト企業」とはいえなそうである。 「それでも、今回の死亡事故のニュースには社員も元社員も皆が驚いていると思います。 工場で指を落とす事故は起こるものの、死んでしまうような大事故は起こらないと思っていましたから……。 やはり山パンの工場で死亡者が出たというのは前代未聞です」(同) 過去にも複数の死亡事故が しかし、実は死亡事故は過去にも起こっている。 「20年には、神戸工場で、プラスチック容器の洗浄ラインの機械を停止させずに不具合の修復作業に当たっていた30代の男性従業員が、容器と機械の内壁の間に頭や上半身を挟まれて死亡するという事故が起こっています」 と、山崎製パン関係者が明かす。 「この事故では神戸工場の工務課課長と製品管理課の班長が、神戸西労働基準監督署に労働安全衛生法違反で書類送検されています」 15年には、古河工場で、小麦粉を貯蔵するタンクの清掃作業を行っていた従業員の土門佑一さん(39)=当時=が、高さ約10メートルの足場から転落して死亡。 12年には、群馬県の伊勢崎工場で山崎製パンの配送社員の鈴木伸治さん(32)=当時=が、トラックのドアと車体の間に挟まれて死亡する事故が発生している。 後編では、度重なる死亡事故をメディアが大きく報じない理由や、取材に対して担当者が笑いながら回答するなど、反省の色が見えない山崎製パンの企業風土などについて報じる。 「週刊新潮」2024年4月18日号 掲載 新潮社 https://news.yahoo.co.jp/articles/f92c80ac093f28332d41beec3fd7b1ed3764b023
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