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半導体技術者

半導体技術者

半導体技術者になるには

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入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、大学・大学院卒が多い。高専卒もいる。専攻は、機械・電気・電子工学等が多いが、化学、物理専攻の者もいる。誘電体や磁性体、超伝導体などの電子材料に関する基礎科学やナノテクを応用した新しい光・電子デバイスの集積技術に加え、それらを応用した計測・制御や情報・通信・ネットワークに関するハード・ソフトウェア技術と電気エネルギーの生成と伝送、その利用にかかわる要素やシステムに関する理論と実用技術を学んでいると入職する際に有利となる。中途採用もあるが、半導体技術者の経験者がほとんどである。

入職後はOJTで経験を積み、専門分野の知識、技術を深めていくことになるが、半導体技術者として一人前と見なされるには10年程度を要するケースもある。
専門分野の知識、技術を熟知していることに加え、半導体に関する最新情報は海外から入ってくることが多いので、参考文献や論文を読んだり、ネット上での半導体関連情報を収集するには英語力が必要となる。グループやチームで作業することが多いためコミュニケーション能力も必要である。新たな技術・知識等に常に関心を持つリサーチ力、自己研鑽の継続が重要である。量産化等にあたっては顧客との交渉力、プレゼンテーション力も必要である。チームリーダーになると、チームの統率力や管理能力も求められる。

仕事内容

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半導体製品の製造工程の設計・開発、評価等を行う。
半導体技術者には、製品の製造工程の設計・開発、評価等を行うプロセスエンジニア、デバイスを設計するデバイスエンジニア、レイアウト、回路、ロジック、システムを手掛ける設計エンジニアがいる。ここでは、主にプロセスエンジニアについて記載する。

半導体は、シリコンなどの元素半導体を材料として作られる電子部品で、トランジスターやダイオードなどの素子単体(ディスクリート半導体部品)とトランジスターなどで構成されるLSIがある。コンピュータ、冷蔵庫、電子レンジ等の家電製品、スマートフォン、タブレット等の一般消費者向け製品から産業用機械まで、小型化、軽量化、省エネルギー化が実現されているのは、半導体がチップやLSIに大量に組み込まれるように設計・開発を進め、効率よく基盤の中に収めることに成功した成果といえる。
プロセスエンジニアは製品の製造工程の設計・開発、評価結果等を踏まえた見直し、製造工程における新技術の研究や開発を行っている。製品に使用する原材料及び装置条件を決定し評価、改善を行うのも仕事である。さらに、製品製造にかかるコストの低減化を計画し、実現する仕事もある。

具体的な仕事は、製品の製造工程を設計した上で、不具合がないかの評価を行う。不具合があれば、原因を分析し、必要な条件変更、見直しを行う。新たな製品の量産化等を検討する場合は、それを実現するための製造工程の変更点を検討し、新技術が必要であれば研究開発も行う。その際、最新の技術情報の収集や研究論文等の調査を行い、量産化に向けて製品に最適な原材料の検討、実験による評価を行う。最近では、コンピュータ上でソフトウェアを使用し、対象プロセスの設計や運転方法等についてシミュレーションを行い検討する場合が増えている。

半導体製造の総工程数は400~600工程がある。工程ごとの要素技術があり、それぞれに専門の技術者がいるので専門の異なる技術者がそれぞれの知識、技術を持ち寄り、新たな製造工程の設計・開発に取り組んでいく。評価結果を検討し不具合があれば、再度工程の変更を行い、その作業を繰り返し、全体の製造工程フローの最適化を図っていく。
その後、工程全体のフローでの実験で試作品を作成する。また、併行して製造装置・設備の仕様も決定していく。この過程で製造にかかるコストの低減化なども併せて計画する。実験データの集約、結果を踏まえた設計の修正を行う場合もある。
プロセスエンジニア、デバイスエンジニア、設計エンジニアはそれぞれの分野で新技術を取り入れ、必要な技術開発等を進めつつ、常に緊密に連携し一つの製品を開発、量産化の実現を図っていく。

◇ よく使う道具、機材、情報技術等
 手袋、マスク、パソコン、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、設計用ソフト(CADのソフトウェア等)、シミュレーションソフトウェア、表計算ソフト(Excel、スプレッドシート等)

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働き方の特徴

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勤務先は、半導体メーカー、半導体装置メーカーであり、工場あるいはその近くで勤務する。郊外に立地している場合も多い。就業者は男性が多いが女性も増えている。比較的正社員が多い。派遣労働者もいる。就業者の年齢構成は30代から50代が中心であるが、特に50代が多い(*1)。賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。フレックスタイム制を採用している企業もある。納期が近づくと残業もある。休日は、原則土日完全週休2日制である。海外も含め転勤もある。

半導体製造工程では目に見えないチリ、ホコリが不良の原因となるため、製造工程はクリーンルームの中となる。プロセスエンジニアも現場に行く場合は、ホコリが出にくいナイロン製の白衣に着替え、帽子・手袋・マスクを着用し、靴も履き替え、エアシャワーを浴びてからクリーンルームに入室する。クリーンルーム内の温度、湿度は品質管理上、温度25℃、湿度50%程度に常時保たれている。

日本の半導体の生産量は、1980年代には世界での市場シェアが50%を超えていたが、現在は市場シェアが大幅に低下し、国内の半導体メーカー数も減少している。ただし、一部の半導体、例えば、コントローラとしてのマイコン、電力を制御するパワー半導体、画像センサーは国際的に高いシェアを維持している。これらは現在、急激に進んでいる車の電動化、EV化、自動化等で重要な役割を果たしている。また、半導体製造装置の市場シェアも高い。

*1 取材結果から

年収などの統計データ

  • 就業者数

    295,260

    (出典:平成27年国勢調査)

  • 労働時間

    165時間

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 賃金(年収)

    611.1万円

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 年齢

    42

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 求人賃金(月額)※1

    29.2万円

    (令和3年度)

  • 有効求人倍率※2

    2.06

    (令和3年度)

  • ※1 ハローワークの無期フルタイム求人の賃金欄の中間値の平均(実数値)
  • ※2 ハローワークの「無期又は4ヶ月以上の雇用期間のあるフルタイム」の求人数を同条件を希望する求職者数で除したもの(実数値)

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