臨床心理士について

Question

臨床心理士について社会福祉士とはなんですか？臨床心理士とはなんですか？私は、病院で働くカウンセラーになりたいです。そのためにはどんな資格が必要ですか？

Answer 1

社会福祉士とは、心身の状態や環境上の問題によって、日々の生活を送るのに不自由がある方からの福祉に関する相談に応じて、問題の解決や軽減に向けた助言や支援をしていく役割を担う専門家です。

一方、臨床心理士とは、臨床心理士資格認定協会によれば、「臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間の“こころ”の問題にアプローチする“心の専門家”」とされています。

この2つの資格が担う役割はクロスオーバーする部分がありますが、支援する内容、方法が違います。社会福祉士が相談援助で対応するのは「福祉の問題」。問題を抱えて支援を必要としている人と、問題を解決したり軽減したりできる方法やサービス、機関などとを結びつけたりするなど、「手段的」「道具的」なサポートを主に行います。その過程で心理的なサポートもしますが、主に担うのは手段的サポートです。

これに対して、臨床心理士が相談援助で対応するのは、「こころの問題」。心の問題を抱えて支援を必要としている人に対して、その人が問題と向き合い、自分の力でその問題に対処していくのを「情緒的」にサポートします。

たとえば災害で被害にあわれた方に対して、避難所はどこか、食料はどこで手に入るか、経済的支援を受ける手続きはどうすればいいかなどの情報提供をしたり、手続き方法を教えたり、手続きを受け付ける機関との橋渡しをしたりするのが社会福祉士の主な役割で、被害にあってつらい気持ちに寄り添い、その方が立ち直っていくのを心理面からサポートするのが臨床心理士の主な役割です。

病院でカウンセラーをなさりたいということであれば、臨床心理士の資格を取られるとよいと思います。社会福祉士は、病院であれば患者さんの転院先探しや経済的支援の受け方などについてサポートする医療ソーシャルワーカーの仕事を担うことになります。

ちなみに精神科病院・クリニックでカウンセラー職として働くことを希望されるのであれば、臨床心理士とともに精神保健福祉士の資格を取得されると就職には有利です。精神保健福祉士は、社会福祉士が担う相談援助の仕事の中でも、特に精神保健分野を専門とした資格ですが、精神科分野では、臨床心理士と同等以上に採用され、社会福祉士のような手段的なサポートと臨床心理士のようなカウンセリングを両方担い、幅広い支援を提供しているケースもあります。

また、社会福祉士、精神保健福祉士が国家資格であるのに対し、臨床心理士は民間資格であることも頭に入れておくといいかもしれません。国家資格でない臨床心理士は、その担う役割の重要さの割に、なかなか病院での立場が確立されにくい傾向があるようです。