日本語教師として働きたいと思ってます。

Question

日本語教師として働きたいと思ってます。しかし、そのためには永住権？などの資格が必要になると思うのですが、それはどういった方法で取得できますか？
また、希望としてはオーストラリアで働きたいと思っているのですが
はたして、そこで日本語教師として暮らしていけるのでしょうか？

Answer 1

オーストラリアの高校で教師をしている者です。まず、オーストラリアで日本語教師と言っても２種類あり、そこを明白にする必要があります。日本語学校で日本語を教えるのか、それともオーストラリアの教育機関（小学校、中学校、高校、大学）で日本語を教えかの２通りがあります。

（１）もし、日本語学校などで成人を対象にした日本語教育をしたいのであれば、日本語教師養成講座を修了しているか、あるいは日本語教師資格を取得していれば教える事ができます。（２）しかし、教育機関で日本語を教えたいのであればオーストラリアの教員免許を取得する必要があります。例えば、小学校で日本語を教えたいのであれば小学校の教員免許、中学校または高校で教えたい場合はSecondary School（中学、高校）の教員免許が必要となります。そして、大学で教えたいのであれば最低でも修士課程（博士課程を修了しておれば尚良いが）を修了し、論文の学会発表または専門書などの発行物を書いているかが問われます。大学などの高等教育以外に関していえば、こちらの小学、中学、高校で日本語（第２言語, Language Other Than English通称LOTE）を教えたい場合はこちらの大学でGraduate Diploma in Education (Primary or Secondary)を修了し、LOTE以外の科目の免許も取得しないといけません。こちらの学校では教師が２教科教えるという事が普通です。日本語だけしか教えていない先生もいらっしゃいますが、多くは２教科を教えておられます。私の何人かの知り合いの高校教師は日本語と数学や日本語とオーストラリア歴史などを教えていらっしゃいます。また、こちらの教育機関での日本語教育は語学教育というよりも生徒指導などがほぼ仕事の７０パーセントをしめており、日本語教育だけに専念できるわけではありません。私の場合、担任を持ったりで教える意外の色々な仕事があります。このように、日本語教育と言っても様々です。まずは一度、どの様な日本語教育に携わっていきたいのかを考える必要があります。

さて、永住権の話です。まず、日本語学校などで成人への日本語教育の場合ほぼ永住権は不可能だと思ってください。仕事を探すのも大変だと聞きました（アシスタントとして働く事は可能ですが、ちゃんと働く事ができる永住権や就労ビザなどが要）。一つの永住権の道ですが高校教師として永住権を取得。しかし、２年前からオーストラリアの政府は外国人への教員免許の取得の基準を厳しく設定しました。まず、Graduate Diploma in Education (Secondary or Primary)を卒業したからといって教員免許を取得する事ができなくなりました。外国人が教員免許を取得する場合にかなり高得点のIELTSスコアーが必要となり、Listening 8, Reading 8, Writing 7, Speaking 7となっておりOverall 7.5ポイントが必要となります(例外としてもし、オーストラリアの大学で3年以上勉強し、かつ卒業した場合は教員免許申請時にIELSの点数は問われません)。このスコアーはかなりの高得点でこの点数を取るのはかなりの努力が必要となります。またこのGraduate Diploma in Educationに入学するためにもかなり高いIELTSのスコアーが要求されます。これらをクリアーしなければ教員免許が取れませんし、永住権も取れません。そして、もし教員免許が取得できたとしても今度は就職活動（永住権をもっていないと尚難しい）という厚く高い壁があります。最近オーストラリアでは日本語教育が中国語教育にシフトしており日本語だけを教える事ができる教師は余り必要なくなってきました。なので、もしこちらで教師として働きたいのであればLOTE以外にも数学や社会や歴史など需要のある教員免許を取得されるのをお勧めします。

そして、その次にもう一つの大きな壁は永住権です。最近ではオーストラリアは移民を減らすために基準を高くしています。毎年、移民法が変わりますのでそれは自分で調べた方がいいと思います。

もう一度、言いますが、思っていらっしゃるこちらの教育機関での日本語教育は語学教育ではありません。LOTE(Japanese)を通じて子供達に社会のルールを教えるのかが一番の課題です。いかに座って静かに授業を受けれるか、いかにクラスのルールを守れるか、先生やクラスメートをいかに尊敬するのかなどなど。なので日本語教育以外にも親へ電話をしたり、居残りをさせたり、親のコンプレインの対処をしたりなどの仕事が主になります。教育機関での日本語教育は思っていらっしゃる日本語教育とは違うかもしれません。もう一度言います、小学、中学、高校での日本語教育は語学教育ではなく、人間教育の場です。本当に子どもが好きな人でなければ長続きするのが難しいと思います。

大変、長くなりましたが参考になればと思い回答させて頂きました。夢に向かって頑張ってください。