行政学に関する質問です。以下の文章は間違いがあるらしいのですが、どこが間違っていますか？

Question

行政学に関する質問です。以下の文章は間違いがあるらしいのですが、どこが間違っていますか？専門的知識・技術が要求される分野には通常の行政官庁が設けられるが、複雑な利害関係を調整すべき分野や政治的中立性が要求される分野では行政委員会が設けられる。

Answer 1

行政委員会の設置目的としては、通常、４つ挙げられます。
①行政の中立性の確保
②専門技術的知識の確保
③相対立する利害調整
④準司法的機能

とすれば、「専門的知識・技術が要求される分野には通常の行政官庁が設けられる」という記述が誤っていることになります。

例えば、原子力規制委員会設置法 第１条に
「・・・その委員長及び委員が専門的知見に基づき中立公正な立場で独立して職権を行使する原子力規制委員会を設置し、・・・」
とあり、専門的知識の確保を委員会設置の目的としていることが覗えます。

通常の行政官庁は、言わば「妥協の場」です。「行政官はジェネラリスト」、「各利害の調整を図る」、「大局に立って総合的に判断」など言葉はいろいろですが、要するに行政施策は妥協の産物であるとするのが行政学の教えるところです。
しかし、͡コトによっては、「ダメなものは、ダメ。」としなければならないものもあり、そういった事案を扱う行政機関として、高い独立性が確保されている行政委員会という仕組みが用意されています。上記の原子力規制委員会ならば、原子力発電所の様々な事案について、必要性ではなく安全性を優先して判断することが求められているため、機関形態として行政委員会が選択されたと考えることができます。