簿記3級の内容で、前受金と前受収益の違いを教えてください。 簿記のテキストやネットでの検索結果としては、 ・前受…

Question

簿記3級の内容で、前受金と前受収益の違いを教えてください。

簿記のテキストやネットでの検索結果としては、
・前受金はサービス提供前に受け取ったお金の勘定・前受収益は翌期以降のサービス未提供分の収益を振替する勘定
というふうに説明されているかと思います。

いまいち違いが理解できません。

前受収益の例で、
「12ヶ月分1,200円もらったが、このうち3ヶ月分は翌期のサービス提供分にあたるので、1,200×3/12=300円は前受収益に振り替えする」
というものがありました。
これを前受金で計上してはいけないのはなぜでしょうか？
私の単純な頭では、《300円はサービス提供前に受け取っているお金なので前受金》でもいいんじゃないか、と思ってしまっています。

Answer 1

【企業会計原則注解５からの一部抜粋】
前受収益は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を行う場合、いまだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過とともに次期以降の収益となるものであるから、これを当期の損益計算から除去するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、前受収益は、かかる役務提供契約以外の契約等による前受金とは区別しなければならない。

Answer 2

前受収益
・家賃や利息など「本業活動以外」かつ「継続した契約」に関することで、先に受け取ったお金
※家賃や利息って基本的には長期に渡って契約するよね。これは「継続した契約」となる

前受金
・商品など「本業活動」に関することで先に受け取ったお金
・「本業活動以外」かつ「継続した契約ではない」ことで先に受け取ったお金
※手付金のようなイメージ

①前受収益の例（期末は3月）
2月に「3月～5月」の3か月分の家賃を受け取っていた。
決算になって、決算整理仕訳を行うことになった。
3月は当期なんだから、当期の収益でOK。
でも4月～5月は来期だよね。だから当期の収益にしちゃだめだ。
そこで4月～5月は前受収益にすることとした。

②前受金の例
お客さんから先に商品代金を受け取っていた。まだ商品は渡していない。
商品売買は当然、当社にとっての本業活動だ。
本業に関することで先にお金を受け取ったのだから、前受金として処理をした。

③前受金の例
当社は今回、たまたま車を売ることになった。
当社は車屋さんじゃないし、本当にたまたまの出来事だ。
買主に車を渡す前に、先にお金を受け取ることになった。
本業ではないし継続した契約でもないから、前受金として処理をした。

Answer 3

サービスの提供が開始されているか否かで判断してみてください。

例えば「翌期から事業所を貸すことになり、3ヶ月分の家賃1,200を事前に受け取った」とすると、
事業所を貸すというサービスは翌期から開始されるもので、当期はサービスの提供開始前です。

サービスが始まってもいないのに収益として認識できませんので仕訳は現金1,200/前受金1,200です。

＞・前受金はサービス提供前に受け取ったお金の勘定
という質問者様のご認識通りの処理ですね。

一方で「3/1から事業所を貸しており、契約開始と同時に3ヶ月分の家賃1,200の払い込みを受けた。当期末は3/31とする」の場合。

契約開始時に3ヶ月分の家賃の払い込みを受けた時の仕訳は当座預金1,200/受取家賃1,200です。
契約開始時点で事業所を貸すというサービスはすでに開始されているので受け取った金額は収益として認識します。

しかしこの3ヶ月分の受取家賃1,200の内、2ヶ月分は翌期に係るものです。
そのためこの2ヶ月分を当期の収益として計上するのは不適切です。

よって、収益の前受分として繰り延べる必要があります。
受取家賃800/前受収益800

＞・前受収益は翌期以降のサービス未提供分の収益を振替する勘定
開始されているサービスに係る収益の内、翌期以降の未提供分を振り替えているので、まさに質問者様のおっしゃる通りの処理です。