現役美容師さん以外は回答は申し訳ないですが御遠慮願います 理由は、ネ

Question

ットで調べられる事はだいたい調べたのと、やめた方の意見は求めていないからです

子供が美容師を目指したいと言っています 自分でも調べて良く考えたそうです 親としては子供の目標を応援したいのは当然ですし、美容師さんは国家資格であり手に職のある素晴らしいお仕事だと思うのですが やはりお給料、休み、拘束時間、独立しないと(歳をとると)苦しい、手荒れ(アトピー気味でもあるので)、など調べた限り正直心配な点もあります
でもいつか目標を叶え将来ハサミを持って活躍する子供を見たいとも思います

どんな仕事でも大変ですし他にも収入が労働に見合わないお仕事はたくさんあるのも解ります
現役美容師の皆様 ネットだけでは解らないご自分の生の体験談、ご苦労、逆に良かったこと、自分はこんな風に頑張ってきた、など
ご意見やアドバイスを頂けないでしょうか
よろしくお願いいたします

Answer 1

美容室経営者です。

長文になりますが、整理しないで思ったまま書きます。

僕は現役美容師でもありますので、もう30年余り美容師をやっています。
最初に申し上げますが、僕はこの職業が大好きです。でも美容業界の現状は大嫌いです。僕はこの業界に巻き込まれるのが嫌で、「孤立＋セルフソーシング」を経営理念に掲げて、業界には最低限しかかかわらずに経営しています。

あらゆる職業の方と出会います。学生、教師、教授、医師、警察官、フリーター。
普通なら関わる事のない職種の方の話も聞けて、本当に楽しい仕事だと思います。
若いスタッフは本当の家族がいない僕にとってかけがえのない家族です。師弟関係というよりは一つのチームです。暖かい職場は心が繋がっているものです。お客様も僕たちに期待を込めてご来店されます。美容師は本当は人の幸せなところにスポットを当てた職業です。

ただ、そこには厳しい現実もあります。

順番に回答いたしますが、まずお給料。
現状美容業界は20年前のカリスマ美容師ブームに志望者が激増した結果、現状は過当競争を極め、お客様の奪い合いの挙句ホットペッパーの介入で利益の大部分をリクルート社に巻き上げられています。無策な美容室経営者は言われるがままに、リクルートに大金を支払ってまで割引クーポンを多発し、美容師と言う職業を貧乏に追いやりました。せっかく上げたわずかな利益はほとんどリクルートに支払い、給料には回せないわけです。現状の楽天市場の送料問題と同じようなものです。ネットに強い企業が零細企業から利益を吸い上げる、そういう世の中です。
利益が薄いので現状、高収入には程遠いと思います。ただ、平均賃金が安い理由には
「ＡＩ化できない故、合理化ができない」と言う事情もあります。逆に言えロボット社会になっても消滅する職業では無いと言う事です。
また、美容室希望者が大幅に減少しています。現状40歳前後の美容師が異常な程多いですが、この世代が廃業した後、今度は一転して人手不足に陥る可能性は高いです。

休み、拘束時間ですが、
今の社会ではは短ければ短いほど「ホワイト企業」と呼ばれる世の中、もちろん工夫をしている経営者は多いと思います。僕も合理化の工夫をしています。

ただ、それによって犠牲にしてはならないものがあります。「技術力」です。

しかし現状、大半の美容室は「技術レベルが大幅に低下」しています。昨今、ろくにパーマもかけられない若い美容師が増えています。練習時間が極端に減ったからです。

しかし、美容師と言う職業で安定するためには実力と人気がどうしても必要です。
素晴らしい技術と顧客があれば、勤め先が倒産してもどこでも雇ってくれます。企業に依存する必要はありません。しかしどんなに大手に就職しても、人気のない美容師を雇い続ければ企業は弱体化しますので、何とか排除する必要があります。
これが「実力社会」です。

素晴らしい美容企業とは、「たくさんの休みと給料をくれるところ」ではなく、「長年食べていける指導力を持っているところ」だと思います。

もちろん、僕だって休みや賃金なんて少なくて良いなどとは考えてはいません。
ただ、それによって「実力を犠牲にして、見せかけの労働条件だけを整えている企業は本当の意味でスタッフの事なんて考えていない」と言う事です。

僕はもう30年越えの美容師です。現役で生き残れた理由はたった一つ、「特技があるから」です。何もかも上手いわけではありません。他人に簡単にまねされない特技が3つ4つあるから、指名客がなくならないわけです。こういった技術力が人生を安定させる、そういう職業です。高卒の低学歴者が志すにはあまりにもやっている事は難しく、それに対して指導力が追いついている教師も指導者も非常に少ないと思います。指導能力のない物ほど、怒鳴る叱るだけで教育を済ませます。
美容業界が荒んで見える理由だと思います。

さて、あとは本人しだいです。

美容師になって僕はここまで幸せでした。元々人付き合いの苦手だった僕が、お客様に頼られたり一緒に働いてくれる若いスタッフに囲まれ「寂しい思い」など縁がない人生でした。

ものすごい努力をしました。収入は決して見合ってはいなかったと思います。

でも人の人生の幸福度は「金持ち」になる事だけでしょうか？

お金、人気、名誉・・・

このどれかを必死に追いかける姿は他人から見ると滑稽化もしれません。
でも、人なんて欲望があって当然です。この3つを正直に欲しい順に並べてみると答えが決まります。

お金が一番に来るなら、美容師はおススメできません。例えつまらなくてももっと稼げる仕事に就くべきです。

美容師として成功するか否かについても書いておきます。

美容師としての成功の可否は、就職先で決まると言っても過言ではありません。美容学校選び以上に重要です。
指導力のない職場を選べばもう、終わりです。

お肌の弱い方に最も向かない職場は「大型低料金チェーン店」です。
親御様は大きな会社が大好きな方が多いです。

しかし、そういう企業に就職しても未来は全く明るくなりません。
かといって一人経営している美容室にはチャンスも刺激もありません。

生え抜きスタッフが成長して活躍している、美容師が長続きしている職場を選ぶべきです。

長文になりましたが、親御様の気持ちは分かるつもりです。他にご質問があれば、僕で良ければいくらでも回答いたします。