NCについて質問です。 現在古いNCをG40のみで加工しているのですが、この度G41を使うべく、形状補正画面でノーズR…

Question

NCについて質問です。
現在古いNCをG40のみで加工しているのですが、この度G41を使うべく、形状補正画面でノーズRと刃先番号を入力しようと思うのですが、この数値を入力したら、従来のG40のプログラムによる加工に影響は出ますか？
現在機械から離れていて確認が困難なので、教えていただければ有りがたいです。
よろしくお願い致します。

Answer 1

刃先R補正機能（G40、G41、G42）について

aga2pyon323さん、おはようございます

＞G41を使うべく、形状補正画面でノーズRと刃先番号を入力しようと思うのですが、この数値を入力したら、従来のG40のプログラムによる加工に影響は出ますか？

結論から言えば、そのまま使えば削りすぎを起こします

工具（チップ）の刃先には丸みがついています
このため、主軸中心に対して平行な外径、内径切削や垂直な端面切削に関しては、プログラムの指令通りに加工しますが、面取り、テーパ、円弧切削に於いては、プログラム上の工具指令点と刃先の切削点が異なるため刃先半径（ノーズアール）を考慮せずに指令すると、削り残しや削り過ぎになります
このため、テーパ切削では刃先Rを補正した工具経路を指令する必要があります
同様に、円弧切削でも刃先Rを補正した工具経路を指令する必要があります

刃先Rの補正量を手計算で行い、プログラミングしますが、補正量を手計算で行いながら、刃先Rを考慮したプログラミングを行うのは非常に手間が掛かります
これに対して、刃先R補正機能は、NC装置が刃先Rの補正量を計算しながら、工作物の形状通りの工具経路を生成する機能です

刃先R補正機能は、補助機能の、G41、G42、（G40）を指令することによって、刃先Rの補正モードに設定されます
① G40（刃先R補正キャンセル）：刃先R補正を解除しPRGの経路上に刃先位置をもどす
② G41（刃先R補正（左））：PRG経路の進行方向に対し、工作物の左側で刃先R補正を行う
③ G42（刃先R補正（右））：PRG経路の進行方向に対し、工作物の右側で刃先R補正を行う

＜例えば＞
ノーズｒ０．８で端面の外径にR５を加工する場合

G40（R補正を使わない）のプログラムでは、R５をR５．８とプログラミングして、ワークにR５を加工させます
プログラムはR５．８ですが、ノーズｒがあるので、実際はR５に加工されます

そのプログラムをそのままR補正機能を使って加工すると、
R5はR５．８に加工されます
NC装置がそのままプログラムの経路を通るからです
R補正機能を使う場合は、図面通りの数値（R５）を指令します

G40で使っていたプログラムを、R補正機能（G41、G42）で使う場合は、図面通りの数値にプログラムを修正（ALTER）する必要があります

NC装置にノーズｒを入力しても、R補正機能をしない場合は影響を受けません

只、R補正機能を使ったプログラムと使わないプログラムが混在すると、
オペレーターが困惑するので、どちらかに統一することをお勧めします

以上、少しでも参考になれば幸いです