日本語教師の就業見通しについてお教えください。

Question

日本語教師の就業見通しについてお教えください。61歳の友人が、日本語学校に「60万円と1年3カ月をかけて」通って420時間の文科省所定のコースを履修し、62歳と6カ月の年で東南アジアで日本語を教えたいと言っています。

そこでご質問ですが、次の点をお教えください。

① 東南アジアで簡単に日本語教師の仕事が見つかるものでしょうか？
② 就労ビザも簡単に取れるのでしょうか？
③ 首尾よく行ったとして、どの程度の月収になるのでしょうか？（バンコク、ホーチミン、ジャカルタ等の各国主要都市で。20万円/月は厳しいでしょうか？）
④ 自分で現地で学校を立ち上げるのは現実的でしょうか？（生活できる程度の稼ぎになるでしょうか？）
⑤ 日本で日本語教師の仕事を見つけることは難しいでしょうか？

Answer 1

1． 東南アジアで簡単に日本語教師の仕事が見つかるものでしょうか？

「簡単」というのは主観的な言葉ですので、お答えするのは難しいです。昨今、就職氷河期で就職に苦しんでいる高卒で就職活動をしている人に比べれば「簡単」かもしれませんが、いわゆる有資格者になったとしても、学歴、職歴、年齢、指導経験などの面でハンディがあれば「応募すれば誰でも即採用」というようなほど「簡単」ではありません。
欧米などに比べれば、全般的に日本語教師の需要は多いです。中国の大学などであれば年長者が尊ばれる傾向があります。私の知っている60歳以上の日本語教師の方は中国の大学で教えられている方が多いです。ただ、民間の学校ですと年齢制限のあるところも結構あるので、厳しいかもしれません。

２．就労ビザも簡単に取れるのでしょうか？

学校側も就労ビザの取得できないような人は採用しませんから、学校に採用されればビザの問題はクリアできる可能性が高いです。採用条件に学歴や職歴、経験などが書いてあるのもビザの条件と照らし合わせる必要性がある場合が多いです。

３．首尾よく行ったとして、どの程度の月収になるのでしょうか？（バンコク、ホーチミン、ジャカルタ等の各国主要都市で。20万円/月は厳しいでしょうか？）

20万円というのは物凄い金額です。現地の人の年収以上であるケースもあります。学生として通う現地の人が自分の収入から学費を支払うことを考えたら、人件費に日本の民間企業の大卒社員と同等の給与を支払えるわけがありません。

日本の国際交流基金などから派遣されるような専門家やシンガポールなどのGDPの高い先進国の大学教員など出なければまず無理です。ベトナムやカンボジア、フィリピン、ミャンマーなどでは基本的には現地の教師の月収程度というところが多いようで、US200～500ドル程度です。タイやマレーシアなどならもう少し条件も良いようですが。

もちろん、現地で生活する分には困る金額ではありませんが、そういった国の人の多くが海外旅行など夢のまた夢であるわけで、日本語教師もまた貯金ができるほどの余裕はありません。一時帰国する航空券を買うことも困難なほどですから、たいていの場合、「1年勤めたら帰国便のチケットを支給」というような学校が多いです。

４． 自分で現地で学校を立ち上げるのは現実的でしょうか？（生活できる程度の稼ぎになるでしょうか？）

投資ビザの方が資金の問題さえクリアできれば逆に現実的かもしれません。軌道に乗るかどうかは経営センスや教師の指導力、評判によりますから何ともいえませんが。現地で食べていくだけの収入ということであれば、国や地域を選べば可能かな？と思います。

５．日本で日本語教師の仕事を見つけることは難しいでしょうか？

いわゆる有資格者になっても、未経験者だと採用されない学校も多いです。何より日本語教師はボランティアでも教えたいという人がいるような仕事ですから、日本で運良く非常勤となっても、時給1500～2000円でもらえるコマ数が週１つ、2つではそれだけで生活はできません。日本での非常勤時代はアルバイトや派遣で掛け持ちしていたという日本語教師の友人知人は多いです。

年齢条件が厳しいのはほかの職種と同様です。

国際交流基金のシニアボランティア等の制度で海外派遣を考えたりするのも手だと思いますよ。それで経験を積み、学校を開くということもできるかもしれませんし。

こういったサイトで国内外の求人情報、雇用条件などをご覧になってみてはいかがでしょうか？
http://nihongo-online.jp/net/?page_id=48

Answer 2

タイのことしかわかりませんので、バンコクについてだけ書かせていただきます。
タイ(バンコク)では、マタヨン過程(日本の中学・高校に相当)で第2外国語の選択科目としてとして日本語のある学校が多いため、日本人の日本語教師の募集は時々あります。学校が採用しますので、もし採用になれば、就労ビザもワークパーミッドも確実に取得できます。しかし年齢制限はあまり見ませんが、60代ではたぶん難しいのではないかと思います。
バンコクの学校で日本語教師をした場合の賃金は、学校にもよりますが、概ね2万～3万バーツ(約54000円～81000円)程度です。また授業は一般的にタイ人日本語教師とペアで行うことになりますが、タイ人日本語教師はまず日本語を話せませんので、タイ語で日本語の文法等を説明できる語学力が必要になります。企業でも時々募集があり、賃金は4万～5万バーツと高いですが、条件が厳しくなります。(英語力・タイ語力・経験年数等)
自分で学校を立ち上げるとなると会社の立ち上げとなりますので、かなり難しいと思います。最低でも自分の労働ビザを取得するために、初期投資が200万バーツは必要となりますが、競争が激しいため余程特色を出して宣伝しないと生徒が集まりません。利益を出すのは難しいと思います。