警察庁長官

Question

警察庁長官警察組織の上限関係は上から以下のようになっています。

■ 警察庁長官 ↴
■ 警視総監 ↴
■ 警視監 ↴
■ 警視長 ↴
■ 警視正 ↴
■ 警視 ↴
■ 警部 ↴
■ 警部補 ↴
■ 巡査部長 ↴
■ 巡査長 （警察法上は 「 巡査」 ） ↴
■ 巡査 ↴
■ 各都道府県警察 警察学校学生 （ 警察法上は 「 巡査 」 ）

警察庁長官は階級の枠外であり、別格です。
階級に於ける最高位は警視総監です。
しかし、警察庁長官は何故か警視監の階級にある者から選ばれますよね。
なぜ警視総監からの昇進ではなく、警視監から選ばれるのですか?

Answer 1

警察法上は、警察官から警察庁長官を任命する必要はありません。

ですから、前職が警視総監もしくは警視監以下の階級に対応する警察内部の職位でも構いませんし、就任前の前職が警察官でなくても構わないわけです。

例えば、内閣情報官（情報調査室長）、防衛事務次官、防衛省防衛政策局長、または総務省消防庁長官から警察庁長官に任命しても構わないわけで、任命されて警察庁長官となった場合は、警察官としての義務が生じるということです。

質問の回答としては、国家公務員俸給表（指定職）において、警察庁長官は指定職8号、警視総監は同7号、次長は同6号ですから、次長に対応する階級が警視監なので、警視監から任命されるという結果になるだけです。

それで、警視総監から警察庁長官に任命されるということは、初代国家警察本部長官の故斎藤昇氏の前職が警視総監でしたが、戦後の事例はこれだけで、あとは次長から長官に任命される例がほとんどです。

現実論として、指定職8号と7号の差なんて微々たるもんですから、警察庁長官も警視総監も国家公務員俸給表上はほぼ同格と思って下さい。

「警察法（昭和29年 法律第162号）」第34条第3項：

長官は警察官とし、警察庁の次長、官房長、局長（情報通信局長を除く。）及び部長、管区警察局長その他政令で定める職は警察官をもつて、皇宮警察本部長は皇宮護衛官をもつて充てる。

Answer 2

警察庁長官、警視総監ともに、警察官僚が目指すゴールだからです。どちらのポジションも警視監の階級にある官僚が就任します。片桐長官は前職が警察庁次長でしたし、樋口警視総監は警察庁生活安全局長でした。

ただ、階級上は長官に次ぐ立場の警視総監ですが、序列上はそうではありません。かつては長官と総監の入庁年次は近く、序列上も同格か長官に次いでましたが、今では、片桐長官、米田次長に次ぎ、金高官房長と同格三位になります。

余談ですが、樋口警視総監が就任した後もしばらくは当時の安藤長官が在職中でしたので、米田官房長よりも序列は低く、金高刑事局長と同格という状況になりました。

これは、東北大震災に伴い、各省庁が上層部人事を凍結したことが影響したためで一過性のものではありましたが、長官と総監の序列格差の広がりはニュースになっていました。

Answer 3

お書きになっているように「階級に於ける最高位は警視総監」です。しかし、入庁年次は警察庁次長より下の者から選ばれることになっています。これから類推すると警視総監は全警察の序列２位と言いながら一方では「警察庁長官を目指す出世争いの敗者」と見ることもできます。従って、敗者からの復活はないということでしょう。また、警察庁次長は大体警察庁長官になりますが、警察庁次長から警視総監に就任した例があります。これも下の序列の者に出世競争で敗れたということです。つまり、警視総監は警察庁長官レースに敗れた者の就く最高の地位ということもできます。

Answer 4

警視総監が基本的に「アガリ」のポジションだからじゃないですか。
組織のトップに2度就かせることはないということでは。