生産・製造(食品以外)系

製版オペレーター、DTPオペレーター

製版オペレーター、DTPオペレーターとはどんな職業か、なり方や仕事内容、年収、悩み、求人に関する情報をご紹介。

製版オペレーター、DTPオペレーター

製版オペレーター、DTPオペレーターになるには

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入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。高校、専門学校、大学や職業訓練校で印刷、デザイン、DTP、写真関係の学科を学んでいることが多い。採用後は、印刷全般に関する研修を受けてから配属され、OJTによって仕事を覚えていくのが一般的である。組版や画像処理などのスキルに加え、製本など最終工程まで視野に入れた作業がこなせるようになることがDTPオペレーターとして一人前と認められる目安となり、5-10年程度の経験が必要とされている。

関連資格として、厚生労働省が定める技能検定に「プリプレス技能士」があり、取得すると技術が評価される。色彩感覚やデザイン感覚が鋭い人、コンピューターに対する興味がある人が向いている。発注主や営業、デザイナーとの意思疎通なしには作業が進まない仕事であり、印刷や製本など後工程との連携が必要なことから、コミュニケーション能力や協調性は欠かせない。

仕事内容

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印刷物の制作過程において、仕様に基づいて印刷物の紙面の割り付け作業を行い、印刷するための刷版を作成する。印刷という作業は、出版印刷でみると、原稿入稿から、組版・製版などのDTP処理を経て刷版を作成するプリプレス工程、印刷機を動かして実際に印刷を行うプレス工程、印刷された刷本(すりほん)を、断裁、丁合、製本など処理を行うポストプレス工程がある。製版はプリプレス工程を指す。

製版は、文字データと画像データをレイアウトデータに基づいてコンピューター上でレイアウトし、最終的に刷版として仕上げる作業を指すが、その工程は、分解、集版、校正に分けることができる。
カラー印刷の場合は、写真・イラストをデザイナーの指示に基づいて色調や濃度の調整、デザイン原稿と出来上がり寸法の倍率調整を行った上で、カラースキャナーを使って原稿を黄・赤・青・黒の4原色に色分解し、4色データを作成する(分解)が、モノクロ印刷の場合もデータの仕様が異なるだけで、工程に違いはない。

具体的な工程としては、まずカラースキャナーで読み取ってデジタル化された写真やイラストの情報をコンピューターのディスプレイ上で確認し、必要であれば修整を行う。次いで、写真とキャプションなどの文字を組み合わせた場合の文字やロゴマークなどの色分けや配置を行い、さらにオリジナルのレイアウトの寸法を測って、貼り込み校了紙のための写真の縮小・拡大に必要な比率を決定して、それに基づいて写真やイラストのトリミング、拡大、縮小などの加工を行う。こうしてできあがった画像データを原稿のレイアウト指示に従って本文の文字データと組み合わせ、印刷原版となる刷版データを作り上げる(集版)。データを原色4枚のフィルムに出力して、印刷原版を作成するか、直接データをDDCPで出力する。カラー製版の方が、色を見て判断する必要があるため、モノクロ印刷の場合より高いスキルが求められる。

印刷原版を元に試験刷りまたはDDCPで出力した校正紙で、誤植やレイアウトの誤り、4枚の版のずれ、色調などを念入りにチェックして修整する(校正)。さらに、注文主のチェックを受けて、必要であれば修整して、次の印刷工程に送る。
最終的に刷版を作成する工程には、アナログ製版とCTP(ダイレクト刷版)の2種類がある。アナログ製版では、組版工程を経て作成された版下を製版フィルムに撮り、これをPS版に密着露光させてから現像処理する焼き付け工程により刷版を作成する。これに対して、製版フィルムを作成しないで、DTPで作成したデータを印刷用原板となるPS版にレーザー光線で直接焼き付けて刷版を作製する方式がCTPである。CTPは、製版フィルムを作成する工程が省略されるため、処理時間の短縮やコスト削減に結びつくとともに、刷版作成直前で修正が入っても対応できたり、フィルムからの焼き付けというアナログな工程がないため印刷の品質向上につながるなどのメリットがある。日本の印刷業界は中小規模の企業が圧倒的に多いこともあり、導入費用や操作習熟の負担がかさむなどの理由で導入が進んでいなかったが、現在、急速に普及してきている。

また最近では、刷版を作製しないで、紙面レイアウトしたデジタルデータを高性能レーザープリンターでそのまま印刷するオンデマンド印刷が注目されている。工程が少なく、少部数でも採算がとれるため、大量印刷を得意とする現在主流のオフセット印刷(平版印刷)と違って、多品種少量印刷に向いており、需要に応じた棲み分けが進みつつある。

◇ よく使う道具、機材、情報技術等
 プリンター、カラースキャナー、DDCP、高性能レーザープリンター、イラスト、デザイン作成ソフト(Illustrator、Clip Studio等)、画像等編集ソフト(Photoshop、GIMP等)、パソコン

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働き方の特徴

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印刷会社の製版部門や、製版を専門とする会社等で働いている。製版専業は全国で1,161事業所、従業員数は18,121人で、年間出荷額は2,725億円となっている(2017年時点*1)。就業者は男性が多いが、最近ではDTPが主流になっており、女性も増えている(*2)。賃金、労働時間等労働条件は、勤務先の規定による。納期が決められているため、残業が必要になることも多く、繁忙期には昼夜の二交替制を採ることもある。

職場の環境は、工場労働というよりはオフィス労働に近く、分解・集版の工程では、コンピューターやカラースキャナーなどの操作、校正の工程では、デスク上で出力物の目視検査を行っている。

*1 一般社団法人日本印刷産業連合会
平成29年工業統計を基にした日本の印刷産業の概況から
*2 取材結果から

年収などの統計データ

  • 就業者数

    208,280

    (出典:平成27年国勢調査)

  • 労働時間

    168時間

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 賃金(年収)

    403.7万円

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 年齢

    43.2

    (出典:令和3年賃金構造基本統計調査)

  • 求人賃金(月額)※1

    21.3万円

    (令和3年度)

  • 有効求人倍率※2

    0.73

    (令和3年度)

  • ※1 ハローワークの無期フルタイム求人の賃金欄の中間値の平均(実数値)
  • ※2 ハローワークの「無期又は4ヶ月以上の雇用期間のあるフルタイム」の求人数を同条件を希望する求職者数で除したもの(実数値)

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